プロシップは、主力商材にしている固定資産管理ソリューション「ProPlus」シリーズの中国での販売に力を入れる。今年8月に製品化した「ProPlus現物管理システム(SaaS)」を足がかりとして、まずは上海を中心とする華東地区での販売に弾みをつける。中国は人件費の高騰や産業構造の転換が進むなかで、新たなビジネスモデルの模索や経営管理レベルの向上に取り組む動きが活発化している。とりわけ日系ユーザー企業はコスト抑制に懸命で、「固定資産管理や現物管理に対するニーズが急増している」(プロシップ上海法人の山口法弘総経理)と、ビジネス拡大に手応えを感じている。

固定資産&現物管理でコストを可視化

プロシップ上海
山口法弘 総経理
 中国は、経済の成長と歩を合わせて人件費が急速に上昇する局面にある。JETROの調べによれば、2012年の上海市の平均年収は前年比8.3%増の5万6300元(約90万円)と大幅に伸びており、今後も年率2ケタ前後の伸びが続くと予想されている。中国の多くの優良企業は、GDPの伸びを上回る成長ぶりを示してしているものの、人件費の高騰、つまりコストの増加は年を追うごとにシビアになっていく。

 固定資産管理システムを開発するプロシップは、この点に着目して、幅広い業種・業態で活用できる「ProPlus固定資産システム」と、この8月に製品化した「ProPlus現物管理システム(SaaS)」の二本立てで中国市場への拡販を行う。「ProPlus現物管理」は、固定資産管理の原点となる棚卸しや資産台帳の作成に使うSaaS型ツールである。本格的な固定資産管理に入る前の「足がかりを提供するもの」(プロシップ上海法人の山口総経理)という位置づけだ。

 企業が保有する備品や固定資産は、事業の運営費用となるが、ものによっては減価償却を通して製品原価への反映も必要になる。プロシップでは、まずは現物管理からスタートし、その次の段階で管理会計の考え方を採り入れた固定資産管理へステップアップする提案に力を入れる。「モノがどこにあり、どのように使われているかという現物管理の側面と、減価償却計算の財務の側面での管理を充実させれば、業務品質の向上はもちろん、中国における企業経営はより利益を出しやすくなる」と、山口総経理は指摘する。


スマートデバイス連携で初期費用ゼロ

 「ProPlus現物管理(SaaS)」の特徴は、初期投資がかからないSaaS型のサービスで、しかもスマートデバイスのカメラで二次元バーコードを読み取ったり、資産の写真を撮影して資産管理台帳へ転記することが容易に行える点にある。バーコードを読み取る専用のバーコードリーダーは数万円から10万円近い価格帯であるのに対し、スマートフォンやタブレットなど企業で普段使っているスマートデバイスを活用すれば初期投資はかからない。サービスそのものは年間約1200元(約2万円)と低料金で、「初期投資なしで、とりあえず試しで使ってみる」という手軽さが売りだ。

 当初の販売ターゲットの有力候補は日系企業としている。上海とその周辺都市には8000社を超える日系企業が進出しており、うち固定資産管理が必要となる規模の企業はおよそ2000社。以前は製造業ユーザーが多かったが、今は中国国内市場をターゲットとした流通・小売業やリース会社などの金融業の固定資産管理ニーズが急速に高まっている。SAPをはじめとするグローバルERP(統合基幹業務システム)の適用も盛んに行われており、基幹系システムの構築を得意とするSIerとの連携によって販売を加速していくことも視野に入れている。

 プロシップは今年4月に上海法人を設立。日系や地場のSIerなどと販売パートナーシップを強化しつつ、「ProPlus固定資産システム」や「ProPlus現物管理システム(SaaS)」を主力商材として、向こう3年で華東地区を中心に200社への納入を目指す。