プロシップは、主力製品の固定資産管理システム「ProPlus」シリーズのグローバル対応ロードマップを作成して公表したことで顧客から高い評価を得た（前号参照）。

潜在ユーザーは年50～60社ペースで増える

　多くの日本のSIerやISVは、中国やASEAN地域への進出を優先する。確かに日系ユーザー企業の進出数が多かったり、アジア市場でなら日本のSIer/ISVも競争力を発揮しやすいという理由もあるが、ユーザー目線でみるなら、やはり「地域限定ではなく、世界のどこへ行っても使えるサービス」が望まれる。

　「ProPlus」シリーズのグローバル対応では、中国/ASEAN地域だけでなく、米州や中東、ロシアまで、およそ日系ユーザー企業が進出している地域を網羅する予定だ。固定資産管理は各国・地域の会計制度や国際財務報告基準（IFRS）に対応させ、制度変更の際には迅速な対応が求められる。プロシップは、主要言語への対応はもちろん、現地の会計士や税理士の協力を得ながら、こうした「制度対応を積極的に進める」（山口法弘取締役）ことでグローバル対応を加速させる。

　プロシップの調べでは、固定資産管理を必要とする上場企業に相当する規模の日系ユーザーはおよそ5000社で、うち1割が固定資産管理を含むERPのグローバル統合を完了、または統合に向けて準備中という。「この割合は年々増えており、感覚的には年間50～60社ペースで新規ユーザーが現れている」（同）と、グローバル対応ニーズを貪欲に取り込むことでビジネスを伸ばす。（安藤章司）