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<MIJS特集>【営業部会】プロダクトビジネス推進委員会 「営業部会」にフォーカス 発足から半年、案件獲得の実を結ぶ

2014/01/23 19:55

週刊BCN 2014年01月20日vol.1514掲載

 MIJSでは、「海外展開」「製品技術強化」「プロダクトビジネス推進」の三つの委員会に分けて、各テーマに応じて参加社を募り、課題解決に向けた活動を展開している。このうち、製品・サービスの利用促進や販売増強策、経営力・マーケティング力の向上を図ることを目的とした「プロダクトビジネス推進委員会」には、2013年4月に「営業部会」が新設された。事業活動に関する表層的な部分の情報交換・共有にとどまらず、ユーザーの業種・業務内容に応じたテーマ別に五つのチームを編成し、具体的な案件を発掘するのが目的だ。発足から半年以上を経て、各チームでは、セミナー開催やユーザー企業に出向く勉強会、大規模イベントへの出展などを展開。各チームの活動は、実際の案件獲得に向けたシナリオが完成の域に達している。

(左から)「営業部会」の部会長であるシステムインテグレータの鈴木敏秀取締役、サイバーテックの橋元賢次社長、ネクスウェイの伊藤佑二氏、ドヴァの井口和彦グループリーダー、Future Oneの神谷昌樹担当部長

テーマ別に5チームを編成
セミナー開催やイベント出展

 営業部会は、「プロダクトビジネス推進委員会」に参加しているシステムインテグレータの鈴木敏秀・取締役Object Browser本部長が、「MIJS各社が組織的に協業し、具体的な案件を獲得できる活動をしたい」と起案したことを発端にして設立。MIJS加盟社(75社)のうち24社が参加を表明し、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)から製品・サービスの営業・マーケティング担当者で具体的な活動を開始した。

 活動の推進に際して、参加各社の製品・サービスをソリューションとして連携したり、競合製品を一挙に集め特定の領域をプロモーションすることなどを目的としてチームを編成した。営業部会のチームは現在、「システム開発」「製造ソリューション」「FAX・EDI・帳票」「営業力強化」「クラウドビジネス・セキュリティ」の五つで構成されている。

 具体的には、各チーム別に参加企業の事務所を使ってのセミナーや、ユーザーの事業所に出向いて関係する担当者との勉強会を開催、大規模なIT関連イベントに共同出資のかたちで出展するなどで、見込み客となるリードの取得を行ってきた。

 例えば、システム開発チームには、企業のソフトウェア開発を効率化・迅速化する開発ツールをもつISVが集結している。営業部会の部会長である鈴木取締役が主導し、参加社で中堅・大企業を個別訪問して情報システム担当者を集め、ツール類を紹介する活動も展開した。

セミナーで見込み顧客を発掘
競合ISVが集まるチームも

 製造ソリューションチームは、XMLデータベースを主力製品とするサイバーテックの橋元賢次社長が代表者となり、2013年10月にセミナーを開催。橋元社長は「チームに参加する各社が、自社で受注した製造業向けソリューションの事例を15社が発表した」と、セミナーの内容を紹介。また、終了後のアンケートで見込み客に繋がる成果を得ることができたという。鈴木取締役は「製造業に限らず、業種特化のチームを創設したい」と、今後に期待を膨らませる。

 また、営業力強化チームは、企業の営業・マーケティング活動に必要なSFA(営業支援ツール)や販売管理システム、テレマーケティングなどの製品・サービスをもつISVが連携し、ソリューション・マップを作成した。同チームを率いるFutureOneの神谷昌樹・ビジネスソリューション第3事業部担当部長は「営業活動の上流で顧客獲得策を講じて、その見込み客をSFAで管理し、受注した案件を販売管理でマネジメントするという一連のソリューションを見せることができた」と、ユーザーを集めたセミナーで発表し、好評を得たと喜ぶ。MIJSに加盟している各社だが、連携することで相乗効果を生むことがわかったという。

 一方、営業力強化チームなどと異なり、FAX送信やEDI、帳票ツールの領域で競合の製品・サービスを展開するISVが集まったのがFAX・EDI・帳票チームだ。このチーム代表者であるネクスウェイ事業開発室の伊藤佑二氏は「普段競合するので、若干のためらいがあったが、腹を割って各社プロダクトの詳細を分析すれば、協業できることを理解した」と、切磋琢磨しながら同領域の認知向上と新市場開拓を実現できると話す。同チームは、ASP・SaaS・クラウド コンソーシアム(ASPIC)主催のイベントに出展し、各社が多くの見込み客を得た。

 最後に紹介するクラウドビジネス・セキュリティチームは、クラウド・サービスを提供するISVが集結。「ネット選挙」をテーマに候補者がインターネットやSNSなどを使ったサービスを提供しようと、ある県議会議員と勉強会を実施した。代表者であるドヴァの井口和彦・ICT営業統轄本部マーケティング&セールスグループリーダーは「いったんは挫折したが、次の統一地方選挙に向けてチャレンジする」と、メール配信や選挙活動に必要なクラウド・サービス確立を目指す一方、ITpro EXPOに参加各社で出展した。

 営業部会は来年度以降、さらに参加社を増やしてチーム編成を強化する。最終的には、2015年5月の大規模ITイベントでMIJSとして大型出展することを目標に据えている。
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