さまざまな情報を集めて、ひと目で分析結果が把握できるウイングアーク1stのBIダッシュボード「MotionBoard」。シリーズのなかで、マーケティング活動の効果測定に最適化しているのが「MotionBoard Cloud for DMP」だ。企業のマーケティング活動のあり方を根幹から変えるとまでいわれ大きな注目を集めている「DMP(Data Management Platform)」の領域に、クラウドサービスというかたちでBIダッシュボードを展開した理由は何なのだろうか。

単なる効果測定ではない 意識すべきは収益への貢献

中土井利行
営業本部ソリューションビジネス推進部
部長
 DMPは、マーケティングで必要なさまざまなデータを統合し、活用するための基盤だ。そのなかでも、ウェブログデータ、CRMデータ、広告・キャンペーンなどの活動データ、購買データなどを、デジタルマーケティングやOne to Oneマーケティングに生かすために集約したデータ基盤を「プライベートDMP」と呼ぶ。「MotionBoard Cloud for DMP」は、プライベートDMPの分析・可視化のためのクラウドサービスであり、AWS(Amazon Web Services)上に環境を構築している。

 「MotionBoard Cloud for DMP」は、社内に散在するさまざまなデータに加え、第三者が提供する社外のデータとの連携機能をもつ。社内と社外のデータを統合して活用することによって、本来あるべきマーケティングを支援するわけだ。

 では、その「本来あるべきマーケティング」とは何か。ウイングアーク1st営業本部ソリューションビジネス推進部の中土井利行部長は、「マーケティングは、収益にどれだけ貢献しているのかまで把握すべき。セミナー集客の成果をみたり、広告宣伝の効果を把握したりすれば終わり、というものではない。収益への貢献まで一気通貫で分析してこそ、活動を最大化することができる」と説明する。ウイングアーク1stが「MotionBoard Cloud for DMP」を、収益情報などを含むマーケティングデータの分析・可視化ソリューションにしたのは、これが理由なのだ。

商品の売上データに気象データを加えた分析(右下)が簡単にできる

地図上で人口統計データを自社データとともに活用

BIツールベンダーからデータプラットフォーマーへの進化

 膨大な情報が企業に蓄積されていく現代、ウイングアーク1stは、現場の担当者から経営者にいたるまでさまざまなニーズに耳を傾け、BIツールの提供というかたちで多くの日本企業の情報活用をサポートしてきた。そしていま、企業のデータ活用を取り巻く環境の変化に対応するべく、新しいビジネスモデルが必要と判断した。それが「MotionBoard Cloud for DMP」ならではの付加価値「情報提供サービス」だ。

 今年に入り、官民双方によるオープンデータ化の動きが活発化している。総務省の統計データ利活用に向けたオープンデータポータルのほか、経済産業省は企業の保有するデータを公開しあい新たな付加価値を生むためのデータ駆動型イノベーションを提唱、企業間でもデータ共有・活用に向けたディスカッションの場が設けられている。

 このような背景を受けてクラウド版独自サービスとして組み込まれた「情報提供サービス」は、エリアマーケティングに活用できる人口・世帯統計データや、売れ筋商品の分析に役立つ消費者パネル調査データ、さまざまな分野で活用が進む気象データなど、企業活動にとって有益な第三者データをすぐに利用できる環境を「MotionBoard」上で提供するサービスだ。上記データのなかには、パブリックデータとして公開されているものもあるが、複数の価値あるデータを実業務で活用できるような状態に整備するためのハードルは意外と高い。

 「企業内部のデータ(クローズドデータ)と第三者によって公開されたデータ(オープンデータ)を容易に重ね合わせて新しい気づきを得るためのデータ分析プラットフォームを提供することが、企業の情報活用を推進する当社の新たなミッションであると認識している。一方で、第三者データの提供会社からの問い合わせも多い」(中土井部長)。ソリューションとして活用されることが、第三者データの提供会社にとっても、新たな市場開拓になるわけだ。ユーザー企業とデータ提供会社の双方からの「MotionBoard Cloud for DMP」に対する期待は大きい。

クラウドサービスはマーケティングとの親和性が高い

 「MotionBoard Cloud for DMP」は、クラウドモデルであるため専用サーバーやライセンス一括購入の必要がなく、初期投資を最小限に抑えることができる。

 コスト意識の高い経営者がマーケティングROI(投資利益率)の測定の必要性を認識していても、それだけの目的でまとまった投資はしにくい。しかし投資適正は判断したい。クラウドサービスを利用すれば、そんな悩みを抱える必要はない。

 また「MotionBoard Cloud for DMP」の最低契約期間は3か月。以降1か月単位で更新が可能だ。マーケティング担当者からは、1クールのテレビCMやキャンペーンなど、短期間の広告・プロモーション活動の効果測定を行いたいという声もある。サービスを利用する価値が理解されれば継続利用の道も開けるだろう。

 「より多くの企業に活用していただきたいので、さまざまな情報を統合分析できる使いやすさ、手軽さ、そして低価格で導入できるクラウドサービスのよさを追求した。単なるプライベートDMPの上をいくMRP(Marketing Resource Planning)を目指す」と中土井部長。経営資源の全体最適化を目指すERPのように、MRPをマーケティングの最適化として捉え、収益までを一気通貫で可視化する。それを実現するのが「MotionBoard Cloud for DMP」なのだ。