何かと柔軟性に欠けるベアメタル(物理)サーバーを、あたかも仮想サーバーのようにフットワークよく使えるのがSoftLayerの売りだが、はたして実際はどうなのか。

SoftLayerデータセンター(DC)のサーバーラックは、通信ケーブルがきっちり色分けされ、標準化が徹底していることがわかる。SoftLayerのDCは、世界中、どこへ行っても写真のように標準化されているからこそ、最短30分以内でベアメタル(物理)サーバーを稼働できるのだ。今から使おうSoftLayer
下図は、SoftLayerの公式サイトのトップページ画面(上)と、ベアメタルサーバーの選択画面。トップページでまず目につくのが、「ベアメタルサーバー」「仮想サーバー」「ストレージ」の三つの選択肢。ユーザーは、そのときどきの必要に応じて、物理と仮想、いずれかのサーバーを選択できる。
トップページで「ベアメタルサーバー」を選択すると、次に出てくるのはベアメタルサーバーの選択画面だ。「月単位」で借りるか「1時間単位」で借りるかの選択や、CPUの種類やコア数、メモリなどからサーバーを選択していく。現在はまだ日本語化されていないが、年内にも日本初となるSoftLayerのDCが開設されることから、順次、日本語化が進むことが期待される。
ベアメタル(物理)サーバーって、本当に速いの?
同じハードウェアスペックの仮想サーバーに比べて、最大で2倍近く速いとされる。仮想化機構(ハイパーバイザー)のオーバーヘッドロスがないことが主な理由。さらに最新のCPUがラインアップされるIBMはコンピュータメーカーなのに、コンピュータを売らないの?
従来型の基幹業務システムなどは「System z」や「Power Systems」サーバーの販売を主力とするが、クラウド上での迅速なソリューション開発や販売が有効な分野はSoftLayerをITインフラの主力と位置づける。x86サーバー事業を売却して、SoftLayerを買収したのは、IBMの見方を象徴しているベアメタルって、言うほどメリットあるの?
パフォーマンス(処理性能)が高いことに加え、システムを設計するうえで、パフォーマンスを正確に予測できるメリットが挙げられる。また、サーバーやファイアウォールなどが独立したハードウェアであるため、情報セキュリティの観点からも優位性がある本当にオンラインですぐにベアメタルが手に入るの?
あらかじめスペックが決まっているサーバーならば最短30分で起動でき、1時間単位で借りられる。セミオーダー方式でカスタマイズをする場合は4時間以内で稼働し、1か月単位で利用できる。このスピードの速さが従来のホスティングサービスと最も違う点だでも、お高いんでしょ?
SoftLayerは、パブリッククラウドサービスであるため、ほかの仮想サーバーを主力とする世界大手パブリッククラウドサービスベンダーと、パフォーマンスあたりのコストで大差はない。またSoftLayerは仮想サーバーも提供しており、用途や特性、価格を比べて選択できる。実は、DC間のネットワーク利用や稼働させたサーバーに付属するアウトバウンド通信量の利用料金を加味すると、かなりコストメリットがでる