日本IBMは、9月12日、同社にとって最大級のイベント「IBM XCITE Autumn 2014」を、東京・港区のザ・プリンス パークタワー東京で開催した。基調講演に立った米IBMのロバート・ルブラン・ソフトウェア&クラウド・ソリューション上級副社長が、「『クラウド』『ビッグデータ』『エンゲージメント』がもたらすビジネス革新」と題してハイパフォーマンスクラウドであるSoftLayerの優位性をアピールしたほか、パイオニアVCの間下浩之副社長がSoftLayerを導入するメリットを語った。セッションは、各会場ともほぼ満席で盛況だった。ここでは、SoftLayerをテーマにした二つのセッションを紹介する。


ロバート・ルブラン 米IBM ソフトウェア&クラウド・ソリューション 上級副社長

物理/仮想環境をコントロール

 SoftLayerに関する一つ目のセッションでは、小池裕幸・執行役員クラウド事業統括が、「日本のデータセンター開設目前! SoftLayerについて知っておくべき5つのこと」と題して講演した。

 小池執行役員は、「ビジネスはスピードが命。スピードを出すためには、サービスを標準部品にして顧客ニーズや環境の変化に適応させる『組立型のビジネス=Composable Business』になる」と説明。そして、従来の「Systems of Record(企業活動の記録・報告のためのシステム)」から、クラウドで運用しながら顧客それぞれとの絆を強めていく新しい個客接点システム「Systems of Engagement」への移行が求められていることを強調した。

 次に、IBMによるクラウド・ポートフォリオの基盤(IaaS)がSoftLayerであるとして、その三つの特徴を解説した。一つ目は「ベアメタル(物理)クラウド」。サーバーを使用する目的はアプリケーションごとに異なる。データベース、ビッグデータなど、高パフォーマンスを必要とする用途には物理サーバーが向いているとしたうえで、「SoftLayerは、ベアメタル、仮想、プライベートクラウドと、ユーザーニーズに合わせた環境を提供し、物理/仮想環境を柔軟にコントロールできる唯一のクラウドだ」とした。

小池裕幸
日本IBM
執行役員
クラウド事業統括
 二つ目の特徴は、「グローバル高速ネットワーク」。SoftLayerは、16のデータセンター(DC)、19のネットワーク接続拠点をもち、マルチキャリア構成で冗長化された10Gbps回線で結ばれている。さらに、DC拡充に12億ドルの追加投資を実施し、年内には日本(東京)を含む15か国/40拠点に拡大する計画だ。日本国内にDCを建設することで、データを国外に出したくないというニーズに応える。

 三つ目は、「世界統一のアーキテクチャと豊富なサービス」。共通ラックを採用し、複数のキャリアに接続でき、複数のDCのサーバーを統合してコントロールできるという。

 小池執行役員は、「8月末時点で、120社のパートナーからさまざまなサービスが提供されていて、ユーザー会も発足した。30日間のフリートライアルを用意しているので、ぜひ活用してほしい」と訴え、講演を締めくくった。

自由自在にインフラを構築

高良真穂
日本IBM
クラウド事業統括
新規事業開発
エキスパート・テクノロジー・アーキテクト
担当部長
 SoftLayerに関する二つ目のセッションでは、高良真穂・クラウド事業統括新規事業開発エキスパート・テクノロジー・アーキテクト担当部長が「開発者の可能性を際限なく広げる高性能クラウド SoftLayer」と題して講演。SoftLayerの三つの特徴に触れながら、「クラウド時代の今、システムは大きな設備投資をせずに使えるようになった。もし失敗しても止めればいい。開発者が自由自在に必要なインフラを構築できる」と、自由度の高さをアピール。さらに、SoftLayer上で実際にサーバーをオーダーしてシステムを構築する具体的な手順を披露し、「インフラ屋の仕事がなくなるくらい簡単」と、会場の笑いを誘った。

 最後に高良担当部長は、特ダネとして、「クラウド事業者はオープンにしたがらないが、実は仮想化のオーバーヘッドは6割以上といわれる。利用者は、それだけムダな利用料を負担していることになる。その点、ベアメタルサーバーを利用できるSoftLayerは、物理的に1台のマシンを利用者が占有できるのでオーバーヘッドがない。性能を有効活用でき、コストパフォーマンスが高い。また、物理・仮想間を自在にデプロイして、海外のDCともフリーでデータ転送ができる」と話し、SoftLayerの優位性を訴えた。

 展示会場では、日本IBMとパートナー各社によるSoftLayerのソリューションが紹介され、多くの来場者が熱心に見学していた。