Special Issue

<BCN Conference 2015>三菱UFJリサーチ&コンサルティング ビジネスチャンスをつかめ IoT・新産業革命の大きな波

2016/02/04 19:55

週刊BCN 2016年02月01日vol.1614掲載

 「BCN Conference 2015」の基調講演では、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの尾木蔵人・コンサルティング・国際事業本部国際本部国際営業部副部長が登壇し、「ドイツインダストリー4.0とアメリカインダストリアルインターネットの衝撃~IoT・新産業革命のグローバルな潮流と日本企業のビジネスチャンス」をテーマに話した。

尾木蔵人
副部長
 まず、尾木副部長が強調したのが「数年以内に、IT業界に大きなビジネスの波がくる。それがインダストリー4.0であり、IoTとAIである。その実現にはクラウドが大きな役割を果たす」という点だ。ドイツ政府が主導するモノづくりの革新プロジェクト「インダストリー4.0」が目指すのは、カスタマイズ製品を機械が自動で生産できる「スマートファクトリー」となる。核となるのはCPS(Cyber Physical System)で、IT=Cyberで行われる製造シミュレーションを現場(Physical)の生産活動と一致させ、生産性の向上に直結させるというものだ。尾木副部長は、「ドイツでは3年以内にプロトタイプ工場を実現させて、5年後に一部で実用化を開始。その5年後からはインダストリー4.0工場を世界中で一気に広めることを考えている」と語る。

 実現のために乗り切るべき大きな壁が「デジタル化」だ。大手メーカーを支える大多数の中小企業がデジタル化していなければ、デジタルバリューチェーンが成り立たず、最終的な効率化が達成できない。「IT企業の役割は、クラウドなどを活用して、バリューチェーンをマネジメントすること。ドイツでは一斉に製造業のデジタル化が進む。日本がその取り組みを怠れば、他のアジアの新興国が取って代わる」(尾木副部長)としている。

 最後に尾木副部長は、「インダストリー4.0とIoTに迅速に対応して、日本企業がグローバル市場を前提としたビジネスモデルを確立する取り組みを行えるよう、IT企業の方々にはしっかりと支えて欲しい」と訴えた。
  • 1

外部リンク

三菱UFJリサーチ&コンサルティング=http://www.murc.jp/