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ネットワールド 構築と運用の効率化でオペミスをなくす インフラ全体を自動化する「Puppet Enterprise」

2016/02/29 19:55

週刊BCN 2016年02月29日vol.1618掲載

 ネットワールドは、2015年5月に米Puppet Labsと国内初のディストリビュータ契約を締結し、Puppet Labsのインフラ構成自動化ツール「Puppet Enterprise」の取り扱いを開始した。同製品は、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などITインフラ全体の設定を一元的に管理して自動化できるソフトウェアだ。ネットワールドでは、自社内の検証センター「GARAGE」にPuppetの環境を用意し、導入を検討する企業に評価や検証の場を提供している。

マーケティング本部 ソリューションマーケティング部
クラウド&セキュリティソリューション課 シニアスペシャリスト
奥井孝弘
マーケティング本部 ソリューションマーケティング部
クラウド&セキュリティソリューション課
綿引来美
SI技術本部 データセンタソリューション課 係長
富田章義

企業のITインフラ全体の
構成管理を一括で自動化

 ITインフラの管理が複雑化するなか、サーバーのOSやミドルウェア、アプリケーションなどのシステム構成を自動で一括管理するツールに注目が集まっている。構築や運用の負荷を軽減して運用コストを抑制すると同時に、人手による作業で生じがちなミスを減らし、運用品質を向上させることができるためだ。このようなツールの一つが、オープンソースソフトウェアの「Puppet」で、サポート付商用版として販売されているのがPuppet Enterpriseである。

 「Puppetがほかのインフラ自動化ツールと大きく異なるのは、サーバーだけでなくストレージやネットワークも含めたインフラ全体をカバーできる点。例えばサーバーをスケールアウトするときには、追加したサーバーが使うストレージやネットワークの設定も同時に必要となるが、そこまで含めて自動化ができる」と、ネットワールドの富田章義・SI技術本部データセンタソリューション課係長は説明する。

 Puppet Labsは、サーバーや仮想化基盤はもちろん、ストレージやネットワークのベンダー、さらにはクラウド事業者まで、非常に広範なエコシステムパートナーを有している。そのため、インフラ全体を幅広く管理できるのだ。

 奥井孝弘・マーケティング本部ソリューションマーケティング部クラウド&セキュリティソリューション課シニアスペシャリストは、「われわれがPuppetを選んだポイントは、まさにそのエコパートナーの多さと利用実績だ。最近ではIT自動化と統合システム運用管理との連携が進んでおり、自動化とガバナンス確立の両立が可能となっている」と語る。

ネットワールドの検証センター「GARAGE」にPuppetの環境を用意

専門知識いらずの「マニフェスト」
ミスなく容易にインフラ設定

 Puppetはその使い方も特徴的だ。まず最初に、インフラ管理者が人手で作業する際に使う手順書やパラメタシートに相当する内容をコード化し、「マニフェスト」と呼ばれる設定情報を作成する。このマニフェストでインフラ設定を抽象化することで、インフラに対する専門知識をもっていないシステム担当者やユーザーでも、容易にミスなくインフラ設定が変更できるようになる。さらにPuppet EnterpriseならGUIでの管理も可能だ。異なる用途の複数のサーバーに対し、共通するサービスをポリシーで一括適用することができ、例えば、ぜい弱性が発見されたサービスを全サーバーで一斉対処するなどの場面にも役立つ。

 「このマニフェストは可読性が高い形式で記載しているので、誰がみても誰がつくっても同じようにでき、転用も容易だ。また、Gitなどのバージョン管理ツールで扱うこともできる。Puppetのコミュニティでは、多彩なマニフェストを登録したサイト『Puppet Forge』を運用しており、それらを活用することも可能だ」と、クラウド&セキュリティソリューション課の綿引来美氏は説明する。

評価や検証が可能なPuppetの環境を提供
日本でもPuppetのコミュニティが発足

 ネットワールドがPuppet Enterpriseの取り扱いを開始してから1年にも満たないが、多くの企業から問い合わせがあるという。同社では、自社内の検証センターGARAGEにPuppetの環境を用意し、希望する企業に評価や検証の場を提供している。GARAGEには、ほかのネットワールド取り扱い製品も揃っており、その多くはPuppet Labsのパートナーとも重なっているため、ユーザーの環境に合わせたリアルな検証にも対応できるという。

 Puppetの日本国内でのコミュニティも発足しており、すでに15年10月と16年1月にユーザー会が開催されている。綿引氏は、「第2回になると質疑も活発になり、皆様の関心の高さがうかがえる。当社では、ほかにPuppetに関する勉強会なども行っているので、こうした機会には、ユーザー側のニーズや課題なども積極的に伝えていただきたい」との考えを示している。


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外部リンク

ネットワールド=http://www.networld.co.jp/