日本マイクロソフトは、プレミアムモデルと位置づける法人向けデバイス「Surface」の販売が好調だ。従来のPCのリプレースにとどまらず、ビジネスの変革や働き方の改革を目指しての導入が目立つという。法人への拡販を狙って立ち上げた認定制度「Device Value Added Reseller(D-VAR)」に参加するパートナーは、すでに2000社を突破。今後、日本マイクロソフトでは、パートナーの強みを生かしたサポートを進めていく。滝本啓介・Surfaceビジネス推進本部本部長に、販売の状況とパートナー施策について語ってもらった。

販売は順調に推移 用途はビジネスや働き方の改革

──まずSurfaceの販売状況について教えてください。

滝本啓介
Surfaceビジネス推進本部
本部長
滝本 お客様の多くが年度末(3月)ということもあって、前年比で2倍以上の販売を達成しました。今も勢いは衰えず、順調に推移しています。

 法人向けSurfaceとして、従来からの「Surface 3」、昨年11月に発売したWindows 10搭載の「Surface Pro 4」、そして今年2月に発売した「Surface Book」をラインアップしています。

 当社では、法人向けSurfaceの上位機種を「プレミアムモデル」と呼び、お客様に従来のPCの使い方から一歩進んだ使い方や、新しい働き方を提案するソリューションの一部を担う製品としてアプローチをしています。もちろんPCのリプレース需要もありますが、むしろ新しい試みにチャレンジしたり、ビジネスの変革を目指したり、テレワークなど働き方の変革を進めたりなど、事業部単位で導入に至るケースが多いですね。
 また、主にオフィスではPC、外出時はタブレット端末を利用するという2台持ちから、利便性向上のためSurfaceで2-in-1の利用形態に変えるという例も目立ちます。

──ユーザーに業種・業務での特色はありますか。

滝本 全体的に偏りはありませんが、ビジネスや働き方の変革という観点からすると、金融や製薬会社などでの導入が目立ちます。また、文教分野も多いですね。

 営業職ですと利用形態は想像がつきやすいと思いますが、最近は総務・経理などのスタッフ部門への導入検討も進んでいます。その背景には、労働者の高齢化への対応、女性の離職率の改善など、政府が掲げる「一億総活躍社会」に向けて、働き方の改革を進める企業が増えていることが影響しているのでしょう。Surfaceなら、場所を選ばずオフィスと同じ環境が利用できるという価値が受け入れられているようです。

 文教分野は、「小・中・高」「大学」という二つのカテゴリがあります。小・中・高では、Surface 3をタブレット端末として使用するケースが多い一方で、大学では、Surface Pro 4などプレミアムモデルを中心に人気があります。クラウドサービスの「OneNote」「SharePoint」などと連携した活用も増えています。Surface Bookは、大学に加えて建設・建築などCAD分野での用途が期待されます。

「D-VAR」が2000社を突破 パートナーとしっかりと手を組む

──Surfaceの販売パートナーの状況を教えていただけますか。

滝本 当社では、認定ディストリビュータ4社、認定リセラーの7社に加えて、一昨年10月にスタートしたD-VARプログラムに登録いただいているリセラーが全国各地におります。D-VARのスタートから実質1年半ですが、登録いただいているパートナーは2000社を超えました。今も、月に数十社のペースで増加しており、Surfaceの法人向け販売の半数近くをD-VAR経由の販売が占めています。

──パートナーに向けた販売施策を教えてください。

滝本 ディストリビュータの皆様とは、製造段階のフォーキャストから一緒になって活動していくことを試みています。その段階から市場に関する意見を取り入れることで、需要と供給の最適なバランスを取るように進めています。

 認定リセラーの皆様については、より“プレミアム”と各社の強みを生かしたソリューション、並びに「Office 365」「Azure」をはじめとした当社のクラウドソリューションをともに販売するために必要なサポートを提供し、一緒にそうした姿を目指したいと考えています。

 D-VARの皆様については、2000社を超えて社数的には成熟してきていると考えています。今後は、クラウドパートナーや業種パートナーなど各社の事業の特色に合わせ、パートナーの方々の強みを生かした販売ができるようにサポートを強化していく方針です。

 まず目玉となる強化施策の一つとして、D-VARパートナーの方々を対象にした、ビジネス・プランのコンテストを開催致します。当社の新年度にあたる今年7月には、優秀なプランを決定する予定で、Surfaceに関わる販売促進費用をファンディング(資金提供)することによって、パートナーの事業を支援していきたいと考えています。D-VARの方々としっかりと手を組み、一緒になって新たな市場を開拓し盛り上げていきたいと思いますので、これからも当社パートナー施策にご期待いただきたいと思います。


高機能とすぐれた操作性が活用の幅を拡大 新しいワークスタイルに最適な「Surface」の魅力

 Surfaceは、2-in-1という新しい形状を提供したことで、PCはオフィスで利用するものという概念に対して、モバイルワークスタイルという新たな市場を開拓している。Windows 10搭載のSurface Pro 4、そしてSurface Bookという高いパフォーマンスを備えたモデルがラインアップに加わったことで、さらに活用の幅が広がろうとしている。小黒信介・Windows & デバイス本部シニアプロダクトマネージャーに、周辺機器を含めたSurfaceの魅力、新しい用途などについてうかがった。

デスクトップ並みのスペック 操作性が大きく向上

──まずは、Surface Pro 3と比較したSurface Pro 4の機能について教えてください。

小黒信介
Windows & デバイス本部
シニアプロダクトマネージャー
小黒 Surface Pro 3は、ビジネスユーザーから好評でした。そのよいところを伸ばしてパフォーマンスを約30%高めたのがSurface Pro 4です。

 外見からは変わったようにみえませんが、CPUはインテル第4世代から2世代アップして、いち早く第6世代(Skylake)Core iシリーズ(Intel Core m3/Core i5/Core i7)を採用しました。ディスプレイはアスペクト比3:2のままで、わずかに大きくなり(12インチから12.3インチに)、高解像化(2160×1440ピクセルから2736×1824ピクセルに)するなど機能向上を実現しています。ディスプレイはベゼルをさらに狭めているため、きょう体サイズを変えず、インチあたりの解像度はiPadのRetinaディスプレイよりも高い数値です。
 このほか、メモリが4~16GB、ストレージが128GB~512GBと、デスクトップ並みのスペックを備えながら、質量がSurface Pro 3の800gから766g(Core m3モデル)と軽量化、厚みも(約9.1mmから約8.45mmに)薄くなっています。

──Windows 10の搭載もパフォーマンスや操作性の向上に貢献しているようですが。

小黒 Surface Pro 4とSurface BookはWindows 10のよさをフルに生かした仕様となっています。特徴的な機能の一つが生体認証「Windows Hello」です。オリジナルの3Dカメラを使った顔認証は、非常に高い精度で個人を特定可能なため、パスワード入力よりも高いセキュリティレベルを実現できるだけでなく、認証も大幅に楽になります。金融機関などでもセキュリティの観点から、VDI環境(仮想化環境)でのSurfaceの採用が広がっています。

 また、オプションとして指紋認証センサ付きのタイプカバーも追加しました。認証が非常に早いため、お客様先でもSurfaceを広げてすぐに商談を始めることができます。PCでは、資料を出すまでに立ち上げて、パスワード入力で打ち間違えて焦ったなどという経験もあるでしょうが、一度、生体認証を使ってもらえれば、便利さから手放せなくなりますよ。

 タイプカバーは各キーの間に隙間を設けたアイソレーション型のキーボードとして、ノートPCと同じようなキータッチを実現しました。カバーの強度も高めたことで、膝の上など安定しない場所での入力も容易になりました。なお、タイプカバーはSurface Pro 3とSurface Pro 4で互換性があります。

クリエイターやCADユーザーのニーズに対応する「Surface Book」

──「Surfaceペン」の使い勝手も高めたそうですね。

小黒 2-in-1の利用形態では、Surfaceペンを使用するケースが多いと思います。そこで、新型Surfaceペンはマグネットで本体の横に装着できるようにしました。また、筆圧感知機能が大きくアップし、操作性が向上しました。

 とくに、Surface Bookについてはクリエイターの方々を主なお客様と想定してGPUを搭載したモデルを用意しています。CG作成、写真編集などの作業をされるデザイナーやカメラマンの方などに向けて、好みの堅さのペン先に変更できる「ペン先キット」も用意しました。

──Surface BookはCADユーザーからの引き合いも多いそうですが。

小黒 Surface Bookは、一つの例として、シーメンス製3D CADソフト「Solid Edge」の動作認証を受けています。設計業務をオフィスのワークステーションを使って行い、現場ではSurface Bookを使ってSolid Edgeでタッチでも3Dモデルを動かして説明するといった使い方をされるニーズに、十分に応えることができます。外への持ち出しだけでなく、今進めている業務を会議室や商談の場に持ち出したいという場合、これまでデスクトップを台車にのせて運んでいたという話も聞いています。このような問題も、Surface Bookを使えば解決します。手間もかかりませんし、生産性の向上にも寄与します。

──オプションの「Surface Dock」について教えてください。

小黒 周辺機器と組み合わせて使いたいときに便利なのがSurface Dockです。表面にUSB 3.0を2基、背面にも2基のUSB 3.0を備えたほか、Mini DisplayPortを2基、オーディオ出力端子、有線LANを装備しました。社内に戻った際には、Surface Dock経由で急速充電したり、複数の画面を利用したりという使い方も可能です。Surface Pro 3でも、Surface Dockを使用することができます。

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