メールセキュリティ関連の製品・サービスを提供するクオリティアは、地方自治体向けにメール無害化ソリューション「Active! zone」の提供を5月末に開始する予定だ。総務省が推奨する地方自治体向け情報セキュリティ対策の一つである添付ファイルの無害化転送を強力にサポート。主力の一つであるウェブメール内蔵メールサーバー「DEEPMail」との連携によって、地方自治体に対して“真”のメール無害化ソリューションの提供を実現する。

統合効果を発揮した新ソリューション

 クオリティアは2015年10月、ウェブメールや誤送信防止を中心にソリューションを提供していたトランスウエアと、超高速メールエンジンを強みにメッセージング統合ソリューションを提供していたディープソフトが統合して誕生した。オンプレミス型、クラウド型両方でウェブメール関連の製品・サービスに強い両社が統合したことで、「トータルメッセージングソリューションカンパニー」として業界でさらに存在感を増している。

 今回、クオリティアが統合効果を発揮し、地方自治体向けに新たに開発したのが、メール無害化ソリューションのActive! zoneだ。価格は、100ユーザーで16万6000円(税別)からに設定しており、提供開始は5月末の予定だ。

辻村安徳
営業本部ソリューション営業部
部長

 辻村安徳・営業本部ソリューション営業部部長は、「日本年金機構の個人情報漏えい事故やマイナンバー制度の施行開始を受け、地方自治体の標的型攻撃対策が急務になっている」と訴える。メール無害化への関心は高く、最近とくに、地方自治体だけでなく、地方自治体に強いSIerなどからの問い合わせも増えたという。

 総務省は「自治体情報システム強靱性向上モデル」として地方自治体に対し、財務会計などLGWANを活用する業務用と、ウェブ閲覧・インターネットメールなどとの通信経路を分割し、なおかつ両システム間で通信する場合にウイルスの感染のない無害化通信を図る必要性を掲げている。地方自治体の要求に応えるために「これまで蓄積してきたノウハウを生かして、メール無害化ソリューションを開発することに決めた」と辻村部長は振り返る。

添付ファイルの無害化転送をサポート

 新製品であるActive! zoneには、無害化転送を実現する機能として(1)添付ファイルの削除(2)HTMLメールのテキスト化(3)添付ファイルのテキストファイル変換(4)アンチスパム(5)アンチウイルス──の五つの機能を備えている。辻村部長は、「新設するメールサーバーと連携させてシンプルに構成できるのが強み」としている。これは、クオリティアがDEEPMailをもっているからできることだ。地方自治体が今回の総務省からの提言に則したシステムを構築する際、庁内ネットワークとインターネット経由でくるメールの通信経路を分割しなければならず、メール用サーバーを新設することが望ましい。だが、既存のメールサーバーと同じドメインをもつメールサーバーをインターネット側に新たに構築することになるため、職員ユーザーにとっては二つのメールボックスを常時受信チェックしておく必要がある。

 クオリティアの具体的な提案構成としては、インターネット経由で送られてくるメールをActive! zoneで受け取り、新設メールサーバーに配送する処理とは別に同じメールの複製を作成し、庁内ネットワークの既存メールサーバーにも配送する。複製するメールについては配送時に、添付ファイルの削除、HTMLのテキスト化などの無害化を行う。そのため職員ユーザーは既存のメールサーバーのみ常時確認しておけばいいことになる。無害化される前のメールを確認したい時は、DEEPMailにアクセスしオリジナルメールを閲覧すればいい。


 このオリジナルメールを確認するときにも強固なセキュリティ対策を施すことができるのが、クオリティアソリューションの特徴である。それは、DEEPMailの「添付ファイルの画像化」という機能を使った方法だ。DEEPMailのウェブメール画面から添付ファイルをダウンロードする際に、一旦ウェブメールの画面内で添付ファイルを画像化して表示し、中身を目視で確認する仕組みだ。

 辻村部長は、「標的型攻撃による感染原因のほとんどが添付ファイルに潜むマクロウイルス。ところが普通の添付ファイルは内容を閲覧すれば済む場合が多く、手元で開いて編集する必要のある添付ファイルの数は、実は少ない。この機能であれば、事前に画像化された形で内容の閲覧が可能で、不用意な感染が激減する。さらに、このファイルが添付されていたメールの送信元の国名を国旗を使って表示させることができ、本来なら日本の国旗が表示されるべきところに見慣れない国旗があればリテラシーの高くないユーザーに『気づき』を与えてあげることができる」という。

サーバー新設キャペーンを実施中

 Active! zoneとDEEPMailを連携させることでセキュアなメール環境を構築できるようになり、クオリティアでは“真”のメール無害化ソリューションを提供することになった。辻村部長は、「市町村レベルを中心に、Active! zoneとDEEPMailを広めていきたい」との考えを示している。そのため、各地域で活躍している地場SIerなどのパートナーを経由して地方自治体を新規顧客として開拓していく方針だ。

 地場SIerとのパートナーシップ深耕のきっかけになればと、現在「メールサーバー新設支援キャンペーン」を実施している。これは、DEEPMailの通常定価を40%オフで再設定するというもの。例えば、100ユーザーで55万円(税別)の定価を33万円(同)に設定している。キャンペーンは9月30日までの申し込み、またはActive! zoneとセットでの申し込みの場合に適応される。SIerにとっては、このキャンペーンを使って地方自治体を攻め込むという手があり、ビジネス拡大につながりそうだ。