猶予が許されない時期に突入商材を組み合わせた提案がカギ

 マイナンバー制度の本格運用が開始された今年。これまで対応を先延ばしにしてきたユーザー企業も、税務署への提出書類などを作成しなければならない年末調整シーズンに向けて、いよいよ待ったなしの状況となってきた。

 対応には、個人番号の取得から保管、利用、廃棄までのライフサイクル運用が求められている。全体のポリシー設定はもちろん、各フェーズで対応が必要だ。既存の情報セキュリティの延長線上で対応できる部分もあるが、マイナンバー制度に特有の対応が求められるケースも少なくない。また、収集段階では従業員や扶養家族に加えて企業からの支払いが発生する個人が関係し、利用の段階では会計士や税理士といった社外の人材が関係するなど、単純に社内だけのセキュリティでは済まない側面もある。こうしたことから、ツール一つで済むような単純な問題ではなく、さまざまな商材を組み合わせたパッケージとしての提案がベンダーやパートナーに求められてくる。

いかにユーザー企業の負担を解消できるか

 本制度では、マイナンバーを含む「特定個人情報」の厳格な管理がすべての企業に求められ、専任の総務担当者がいない企業には大きな負担になる可能性もある。一つのパッケージですべての企業に対応できるわけではなく、ユーザーに合わせて変化させられる柔軟な提案が必要になる。コスト要件も関わってくるため、状況によってはITに頼らないアナログ的なアプローチを選択するケースもあるだろう。ユーザー企業内で完結させるのではなく、クラウドやアウトソーシングといったサービスの利用も一つの手だ。

 マイナンバー制度は、ユーザー企業にとっては負担ばかりが増える制度であり、対応に二の足を踏んでいる企業も多い。本特集では、こうした企業が抱える悩みや課題を解消するための取り組みやソリューションを紹介していく。とくに中小規模の企業ではコスト面やセキュリティを含む実務面が懸念材料となっている。それらの懸念をどれだけ軽減できるかが、この秋の駆け込み需要へ向けたマイナンバー商戦の大きなカギとなるだろう。