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MetaMoJi 働き方改革は、まずは現場から「オフィス」ではなく「ゲンバ」ソフトの活用を訴求

2017/09/21 09:00

週刊BCN 2017年09月18日vol.1694掲載

 「働き方改革は、まずは現場から着手すべき」と、MetaMoJiの浮川和宣社長は、BCN Conferenceの来場者に訴えた。営業現場や医療現場、建設現場などの「○○現場」は、ITによる効率化が遅れがちだ。MetaMoJiでは、タブレット端末を“フィールドノート(野帳)”として使えるさまざまなソフトウェア群を開発。現場で発生した事務作業は、その場でデジタル・フィールドノートに書き記し、上司や同僚などとリアルタイムで共有する仕組みをつくった。「現場のデジタル化は働き方改革の第一歩」と、この領域を有望なビジネスターゲットと位置づけている。

浮川和宣
社長

 同社はデジタル・フィールドノートとして活用できる建設現場向け「eYACHO(イーヤチョウ)」や現場業務向け「GEMBA Note(ゲンバノート)」を製品化。他にもフィールドノートに記された情報を上司や同僚、プロジェクトのメンバーなどで共有する「Share for Business(シェアフォービジネス)」がある。タブレット端末の手書き文字入力アプリの「mazec(マゼック)」といった現場に特化したソフトウェア群の開発にも力を入れる。

 現場でパソコンを片手に作業することは困難だが、タブレット端末ならパソコンに比べてはるかに馴じみやすい。「現場のIT化は従来のパソコンをベースとしたソフトでは実現できない」(浮川社長)として、タブレット端末向けアプリにほぼ特化して開発に取り組んでいる。現場でリアルタイムに入力し、共有することが可能になれば、「現場仕事が終わってから、わざわざオフィスに戻って事務作業をする必要がなくなる」。オフィスに戻って入力していては、リアルタイム性が失われるばかりではなく、長時間の残業を強いることにもつながりかねない。現場の生産性を高めることは、「働き方改革にも直結する」と浮川社長は話す。

 これまで生産性向上や働き方改革では、「いわゆるオフィスソフトが使われてきたが、その名の通りオフィス中心のツールだった」と浮川社長は指摘。オフィスソフトも大切だが、今後、本当の意味での経営のデジタライゼーションを推進するには「ゲンバ(現場)ソフトこそ充実させるべき領域」だと話す。また、ビッグデータやAI(人工知能)の活用にも、現場のデジタル化が役立つ。ビッグデータやAIで最も必要になるのが分析や思考のもとになる大量のデータであり、そのデータは往々にして現場で発生している。「現場のデータは、IoTと並んで重要かつボリュームが大きい」として、同領域における市場の有望さを力強く語った。
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