リコーチャイナ/理光(中国)投资有限公司

 世界的に猛威を振るったサイバー攻撃のランサムウェア「WannaCry」。まだ記憶に新しく、中国でも3万社を超える機関や企業のコンピューターに感染の被害が広がったといわれ、その対応に追われた日系企業も少なくないだろう。企業規模に関わらず、グローバルでITガバナンスの確立を目指す傾向が年々強まっている。中国でもとくにセキュリティ面の管理・標準化は、事故や被害に遭ってからではなく、重要なリスク管理の一貫として取り組む日系企業が増えているという。リコージャパンの小野寺洋一・アジアグループ マネージャーに聞いた。

セキュリティ対策の第一歩
「IT資産棚卸サービス」が好評

小野寺 洋一
リコージャパン株式会社
販売事業本部 RGSJ
アジアグループ マネージャー

 「以前は大手企業に限られていたが、最近は中堅から中小規模まで中国の現地法人に対して、ITガバナンスを強化する日系企業が増加している」。多くのセキュリティ対策の相談を振り返り、小野寺アジアグループ マネージャーはその背景にある傾向を説明する。実際、比較的規模が大きくても、ITリソースに関してグローバルの体制を十分に整えられている日系企業はごく少数だ。中堅や中小規模ではなおさら、「中国現地にITに詳しい人員がいない」(小野寺アジアグループ マネージャー)のは当然といえる。リコージャパンは日本国内で手がける豊富なITサービスの実績のもと、中国の理光(中国)投資有限公司(リコーチャイナ)と緊密に連携し、中国拠点のITインフラ構築をはじめ、こうした日中にまたがるさまざまなニーズに応えている。

 なかでも、企業規模を問わず、ITガバナンスの取り組みとして最も多いのがセキュリティ対策だ。リコーチャイナが提供する「IT資産棚卸サービス」は、日本本社が中国拠点の現状のセキュリティレベルを把握する第一歩として好評を得ている。内容はシンプル、同社のエンジニアがオンサイトでIT資産を棚卸しし、本来のあるべき姿と照らし合わせ、問題を“見える化”する。例えば、人材の流動性が高い中国では従業員が離職の際に重要なデータを持ち出す情報漏えいや、意図せぬ海賊版によるソフトウェアライセンスの不正利用といったセキュリティリスクがいまだ多く残る。

 「外部と内部の両方の脅威に対して、入口と中、そして出口の対策の実態をネットワーク構成図を作成して可視化することで、実状に対して講じるべき改善が一目でわかるのが特徴。日本本社からだけではなく、最近は中国現地からも“自社の状況がわからない”という相談が目にみえて増えている」と小野寺アジアグループ マネージャーは説明する。対象とする事業拠点数にもよるが、棚卸しに必要な期間はおよそ3日間、価格も5000元から2万5000元程度と安価に利用できる。

日本のガバナンスの
ニーズに対応できる体制

 外部や内部からの脅威に対するぜい弱性に対して、リコーチャイナはウィルス検知・駆除やURLフィルタリング、ウェブアクセスやファイル操作のログ管理など、さまざまな対策を提供する。なかでも、グローバルで1万2000社超が利用する情報セキュリティ統合管理システム「IP-guard」の設計から導入、保守においては、中国で数多くの実績をもつ。「IP-guard」は必要に応じてさまざまなモジュールが選べ、PCの操作やサーバー・ファイル・ウェブへのアクセスのログ管理や制限からUSBなどの外部記憶デバイス、各種アプリケーション、ネットワーク、メール送信、印刷まで管理・制御でき、エンドポイントからの情報漏えいの防止はもちろん、IT資産の管理負担を大幅に軽減する。

 そしてもう一つ、セキュリティ対策のニーズとして多いのが、仮想化デスクトップだ。サーバー上に置いたPCのデスクトップ環境を利用するため、万一デバイスを紛失したり、盗難に遭った場合でも端末自体からのデータ流出を防ぐことができる。また、ウイルス対策などのソフトウェアのアップグレードやOSのメンテナンスをサーバー側で一元管理でき、端末側で不用意に海賊版がインストールされるといったリスクも回避できる。リコーチャイナは、これまでにも営業やメンテナンスなど、外出先で作業する人員を多く抱える業種や、中国に複数の拠点を構える日系企業を中心に導入実績をもつ。

 最近は、これらIP-guardや仮想化デスクトップといったソリューション導入後の運用保守だけではなく、中国拠点のIT管理者に代わってさまざまなIT資産の運用保守を任せられるケースも多いという。また、中国大陸内の拠点のセキュリティ対策を、台湾地区や韓国といった他地域・他国で横展開する例もある。

 「グローバルでITガバナンスを効かせていくうえで必然的なこうした日本本社のニーズの伝達レベルを落とすことなく、中国現地で実行できるのがリコーグループの強み。今後は提供するサービスの品質だけではなく、営業の対応品質、関係者の管理品質のさらなる向上にも努めていきたい」と小野寺アジアグループ マネージャーは意気込みを示す。