無限上海/上海克思茉软件开发有限公司
交通費や出張旅費などの経費の申請・承認はエクセルをフォーマットにした紙ベースで行っている。これに該当する日系企業の数は相当多いのではないだろうか。システム開発の無限の中国子会社・上海克思茉軟件開発有限公司が提供する「COSMO WF」（中国名：無限易審通）は、社内の申請から承認、処理までの各種ワークフローで使用する既存の帳票をそのままテンプレートとして電子化し、 ペーパーレス化を実現。間接業務の効率化を図り、本業に注力する一助となる。オンプレミス型に加え、手軽に低コストで利用が始められるクラウドサービスも提供している。
外出先でも申請・承認が可能
経理データも自動で仕分ける
慣れ親しんだエクセルのフォーマットを印刷して申請し、総経理をはじめとする決裁者のデスクはいつも紙の山。一方、外出や出張が多い上位層の承認待ちで申請側の現場の業務は滞る。企業規模によらず、エクセルを用いた紙ベースの帳票を利用している日系企業は少なくなく、こうした課題を抱える中国現地の拠点は非常に多い。
青田 賢一
総経理
COSMO WFは稟議書や見積書、交通費や出張旅費などの経費精算といった企業内の各種申請から承認のプロセスを一元管理できるワークフローソリューションだ。エクセルなど従来使用してきた既存の申請書のデザインを電子化して、そのままテンプレートとして利用でき、申請・承認の業務プロセスにおいてペーパーレス化を実現する。「紙ベースによる紛失や破損といった問題を解決すると同時に、申請内容を自動的にデータで保管できるため、履歴を容易に確認でき、必要に応じたデータ出力も可能」と、青田賢一総経理はその利便性とともにコンプライアンス上の利点を強調する。PCやスマートフォンさえあれば、外出先からでも申請や承認ができ、リアルタイムに承認状況がいつでも確認できるため、申請側と承認側の両方の生産性を格段に高めることができる。
承認フローが柔軟に定義できる可変性もCOSMO WFの特徴の一つだ。決裁金額などの申請内容に応じて承認する人数や決裁者といった経路を自由に設定でき、また組織変更などの途中で生じる変更にも容易に対応する。あらかじめ設定された経路に準じて自動で承認ステップが分岐して進むため、申請側にとっては複雑な承認フローを意識する必要がまったくない。
さらに、COSMO WFで処理したデータは他の業務システムとも連携が可能だ。例えば、会計システムへインポートする経費関連のデータは、あらかじめ定義した勘定科目毎に仕分けした経理データを自動で生成する。紙の申請書に記入された数値を経理部門が改めて会計システムへ入力する手作業の重複を減らし、そこで発生し得る入力や計算ミスといったヒューマンエラーをなくすことができる。
10ライセンス月額500元から
低価格で手軽に利用できる
日本本社の無限が提供する業務管理システム「らくらくシリーズ」は、通勤費や旅費経費、各種申請承認のプロセス、位置情報から適切な人材配置をシミュレーションする機能をもち、日本国内のユーザー数は累計600社を誇る。そのなかから中国でもニーズが高い経費精算の「らくらく旅費経費.net」と承認決裁ドキュメントを一元管理する「らくらく申請WF.net」の機能を一つに統合したのが、COSMO WFだ。日本語・英語・中国語の3か国語対応で、中国の日系企業では現地スタッフは中国語、日本人駐在員は日本語というように利用するユーザーに応じて言語の切り替えができる。
導入方法は、自社のセキュリティの規定に沿った運用が可能なオンプレミス型と短期間で手軽に利用を開始できるクラウド型が選べる。オンプレミス型は50ライセンス（50ユーザー）で2万元、クラウド型は初期費用なしで10ライセンス（10ユーザー）が月額500元と、IT予算を潤沢にもたない日系企業に適した低コストで導入が可能だ。「本当に必要な機能にしぼったシンプルなワークフローとして、中国で利用可能な日系の製品に比べ、5分の1程度の価格で利用できる。手軽に低コストで業務プロセスのペーパーレス化を実現し、ガバナンスの強化とともに間接業務の効率化によって本業にリソースを集中できる環境が実現できる」と青田総経理は説明する。
今後は用友や金蝶といった会計システムとの自動連携や、WeChatへの承認メールの通知といった中国ならではの利便性を追求した機能強化も予定している。
