国内ICT産業の成長をけん引している大手ディストリビュータのソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンクC&S)。デジタルアーツとは20年来の関係を構築してきた。「i-FILTER」「m-FILTER」について、ICT事業本部MD本部ネットワーク&セキュリティ統括部統括部長の平井宏範氏は、「セキュリティ市場が確立される前から取り扱ってきた中核製品。国産であることが大きなアドバンテージとなっている」と説明する。

 ソフトバンクC&Sのネットワーク&セキュリティ統括部では、約150社、1万点の関連商材を扱うが、9割方は外資系メーカーのプロダクトだ。製品戦略やコンセプトが海外発の場合、日本固有の要件に合致しにくいものもあるが、国内が軸のデジタルアーツは、「セキュリティの分野では際立った存在」(同)。パートナーやユーザーの信頼も厚く、多くの実績をあげてきた。
 

ICT事業本部MD本部
ネットワーク&
セキュリティ統括部
ネットワーク&セキュリティ
戦略室 室長代行
高橋 誠氏

 例えば、ソフトバンクC&Sでは、文教向けビジネスでiPadを活用したソリューションを展開している。子どもが利用するモバイルデバイスはセキュリティ対策が重要となり、フィルタリングの機能を求められることが多い。ICT事業本部MD本部ネットワーク&セキュリティ統括部ネットワーク&セキュリティ戦略室室長代行の高橋誠氏は、「文教は国産製品の導入が大前提の市場。お客様から『どんな製品がありますか』と問われれば、まずデジタルアーツ製品が選択肢となる」と話す。

 そんなソフトバンクC&Sは現在、従来のICTのディストリビュータから、ICT+クラウドのディストリビュータへと変貌を遂げつつある。代表例はマイクロソフト製品。国内では最大のディストリビュータとしての立ち位置を確立している。
 

ICT事業本部MD本部
ネットワーク&
セキュリティ統括部
統括部長
平井宏範氏

 一方、平井氏は、「Office 365のExchangeを利用しているユーザーでは、マイクロソフトのセキュリティ機能だけでカバーしている企業が多い。より強固なセキュリティ体制の整備に向けた提案の余地は大きい」と話す。また、高橋氏は、「これからの標的型攻撃では、大企業に直接に攻撃をかけるだけでなく、そこに連なるセキュリティがぜい弱な関連企業や中小企業が狙われてくる」と指摘。ユーザーの導入が進むOffice 365やG Suiteのセキュリティを担保することが、今後の大きなテーマになってくるという。とくに、IT管理者がおらず、予算も潤沢でない中堅・中小企業(SMB)の対策は課題となる。

 そのため、5月に提供を開始する「DigitalArts@Cloud」については、「パートナー企業からも要望はかなり大きかった。国産メーカーとして、その声をしっかりと取り込んでくれた」(高橋氏)と高評価。クラウド版なので、初期コストを抑えた導入が可能で、運用の手間もかからない。何より、パートナー、ユーザーにとって、オンプレミス版でない選択肢が増えることは大きなメリットだ。平井氏は、「デジタルアーツ製品は、当社のなかで主力のセキュリティブランド。クラウド版はお客様に提案しやすく、スムーズに販売していける」と期待を示した。