総合商社丸紅を親会社とする技術商社であり、SIerでもある丸紅情報システムズ。幅広いセキュリティソリューションを揃える同社は、なかでも情報漏えい対策として、ウェブ向けの「i-FILTER」、メール向けの「m-FILTER」などのデジタルアーツ製品を販売している。2002年からデジタルアーツ製品を取り扱い、培ったノウハウを強みに、カスペルスキーを含む3社で実現した「i-FILTER powered by Kaspersky」や、オンプレミス型サンドボックス製品である「FireEye NXシリーズ」とi-FILTERによる標的型攻撃対策パッケージなど、独自のソリューションも展開してきた。

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IT基盤ソリューション事業本部
インフラソリューション
営業第一部 部長
山崎僚氏

 今回、クラウド版i-FILTER/m-FILTERの提供開始により、とくに同社が期待するのは、m-FILTERの販売だ。これまで、「Office 365」などのクラウドメールを利用する企業に対し、「m-FILTERを十分に訴求できていなかったことが課題だった」と、IT基盤ソリューション事業本部インフラソリューション営業第一部部長の山崎僚氏は打ち明ける。その分、「クラウド版の提供で、ここが伸びる」と見込んでいるのだ。同社では現在、二つのキーワードで、デジタルアーツ製品の拡販戦略を構想している。

 一つめが「ランサムウェア対策」。フィルタリングカテゴリのカバー率が向上した「i-FILTER Ver.10」でホワイトリスト運用を実現することに加え、「m-FILTER Ver.5」との連携で、URLの偽装判定や添付ファイルの隔離、怪しいURLの自動登録などが可能になり、入口・出口対策が強化されるため、既存のi-FILTERユーザーに対してまずバージョンアップを提案し、その後、m-FILTERの提案を行っていく。中小企業においては、UTMのクラウド型サンドボックス製品と市場を分け合うとみているが、「情報漏えい対策や事後対策などに取り組む企業には、i-FILTER/m-FILTERが有効だ」と、山崎氏は話す。

 二つめが「働き方改革」。そのなかでも2通りを考えていて、一つが、中堅企業に向けたVDIを利用したガバナンス重視型の対策だ。本社に出口を集約することでセキュリティ対策を集中させる。この場合、モバイルパフォーマンス管理として「NetMotion」を導入し、i-FILTERはオンプレミス、m-FILTERはクラウドでの導入を想定する。もう一つが、利便性・生産性重視型の対策。とくに、IT管理者がいない中小企業などでは、IT環境をすべてクラウドで用意することが考えられ、クラウド版のi-FILTER/m-FILTERに親和性がある。さらにセキュリティを向上させるうえでは、例えばジェムアルトのクラウド認証サービスや、リモート環境向けにファイル暗号化製品や遠隔データ消去製品といった、同社が取り扱う他の製品のクロスセルにも商機が見込める。
 
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執行役員
IT基盤ソリューション事業本部
事業本部長
小谷真一氏

 執行役員IT基盤ソリューション事業本部事業本部長の小谷真一氏は、「当社では保守・サポートも行っており、技術的な裏づけがあったうえで、製品の販売、構築を担当している」と強みを語ったうえで、「今後、デジタルアーツ製品とともに、クラウドでの存在感を高めていきたい」と意気込む。