鹿児島空港を抱え、鹿児島県における空の玄関口としての役割を担う霧島市。高速道路や鉄道も発達しており、大手ハイテク産業が拠点を置く県内有数の産業都市として発展してきた。とはいえ、少子化の影響は霧島市も受けており、生徒数の減少は多くの学校の課題となっている。運営が厳しいとしても、生徒のための教育環境はしっかりと整備しなければならない。なかでもICT環境の整備は現代の教育において不可欠であり、妥協は許されない。こうした事情があるなかで、霧島市教育委員会は、キングソフトの総合オフィスソフト「WPS Office」を選んだ。

地域に開かれた学校づくり

 霧島市は2005年11月7日、国分市と姶良郡溝辺町、横川町、牧園町、霧島町、隼人町、福山町の1市6町が合併して誕生。北部は日本で最初に国立公園に指定された霧島山を有し、南部は錦江湾に接する。人口は約12万6000人で、県内では鹿児島市に次ぐ規模の自治体である。同市で特徴的なのは、1市6町の時代から存在する学校の統廃合をほとんどしていないところ。全国的な少子化傾向は、霧島市も例外ではない。なかでも山間部の学校は厳しい状況に置かれているが、生徒にとって望ましい教育環境のあり方とは何かを優先し、統廃合ではなく、小規模校の活性化を図ることに取り組んでいる。
 
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霧島市教育委員会
霧島市メディアセンター
副所長兼指導主事
野本正樹氏

「霧島市では学校の統廃合はせず、特認校制度や山村留学制度などによる活性化に取り組んでいる。特認校制度では、市内の都市部の学校ではなく、自然豊かな少人数クラスで学びたいという子どもを特認校生として受け入れている。全校生徒の多くが特認校生という学校もあるほど、市民の支持を得ている。山村留学制度は、全国から留学生として生徒を募集する制度だ。また、少子化は課題だが、地域の住民は地元の学校に強い愛着心をもっている。地域に開かれた学校づくりの推進により、地域と密着した教育活動を展開している」と、霧島市教育委員会霧島市メディアセンター副所長兼指導主事の野本正樹氏は同市の方針を説明する。地域に開かれた学校づくりが、地域の活性化にも貢献しているという。

教育に最適なオフィスソフト

 統廃合はしないという方針のため、霧島市には小学校35校・中学校13校の学校が存在する。その分、学校運営に多くのコストがかかるが、地域によって格差が生じないことを優先している。ICT環境も同様の方針により、年度ごとに地域を定めて刷新している。つまり、毎年どこかの地域の学校でICT環境の刷新に取り組んでいることになる。
 
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霧島市教育委員会
霧島市メディアセンター
指導主事
北原利郎氏

 こうしたなかで霧島市教育委員会は、ある課題を抱えていた。ICT環境の刷新において、教育現場のニーズにあった要求をするも、予算内に収まらず、あきらめなければならない部分があったのである。「あきらめた部分は、次にICT環境を刷新する6年後まで待たなければならない。その状況を何とか避けたいと考えていた」と、霧島市教育委員会霧島市メディアセンター指導主事の北原利郎氏は語る。

 それが今回は、必要と考えていた要求がすべて予算内で収まることになる。導入コストの最適化に大きく貢献したのは、キングソフトの総合オフィスソフト「WPS Office」だ。WPS Officeは、ワープロと表計算、プレゼンテーションという三つのソフトを同梱している。霧島市教育委員会でWPS Officeを採用するのは初めてとなるが、「必要なのは、ワープロと表計算、プレゼンテーションという三つのソフトの使い方を覚えること」(北原氏)であるため、WPS Officeを採用するとの提案はすんなりと受け入れられたという。
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富士電機ITソリューション
九州事業本部鹿児島支店
営業課
河野 明氏

 これまでは霧島市教育委員会の要求に頭を抱えていた富士電機ITソリューション九州事業本部鹿児島支店営業課の河野明氏は、「何かをあきらめていただく必要があり、それがつらかった。今回は要望が増えたにもかかわらず、ノーはなかった」と、WPS Officeを採用することの効果を語る。

 とはいえ、霧島市教育委員会では初めての導入となるため、これまで使ってきたオフィスソフトとの互換性や操作性などを確認。教育現場の反応もよく、スムーズに導入の決断に至ったという。

美しいフォントを高く評価

 低コストで導入できるところが魅力の一つであるWPS Officeだが、霧島市教育委員会は、美しいフォントも高く評価した。「これまでのオフィスソフトは、フォントが美しいとはいえなかった。例えば、生徒が毎日見ている街の看板で使われているようなフォントがないと、イメージしたことを表現できないこともある。フォント次第で作品の雰囲気も変わる。WPS Officeでは35書体から選べるようになっていて、それも美しいフォントが用意されている。美しいフォントで、生徒の豊かな想像力を伸ばすことができるだろう」と、野本氏はWPS Officeのフォントを絶賛している。
 
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 オフィスソフトをWPS Officeに変えることで、問い合わせが増えるのではないかと心配されるが、導入当初にアイコンに対する問い合わせが2度ほどあったのみ。運用が本格化して以降は、問い合わせがないという。変化を嫌うといわれがちな教育現場。操作性においても、WPS Officeの優位性が示されたかたちだ。