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Nutanixとダイワボウ情報システムが提携 Nutanix認定資格者の配備によって全国でHCIビジネスを推進

2019/08/15 09:00

週刊BCN 2019年08月12日vol.1788掲載

 ダイワボウ情報システム(DIS)は4月11日、ニュータニックス・ジャパンとディストリビューター契約を締結し、ハイブリッドクラウド分野で戦略的に協業することで合意した。契約に基づき、DISはディストリビューターとしてNutanix Partner Networkに参加し、Nutanix Enterprise Cloud OSの提供を積極的に推進していく。協業の狙いと具体的な施策、そしてNutanixの魅力について、DISに聞いた。

全国をカバーする営業網を生かしNutanixの拡販を推進

 DISは、以前からニュータニックス製品を取り扱ってきたが、サーバーベンダーがアプライアンス化した製品だった。その多くは、大手企業向けを中心としていた。

 「HCIの用途が多様化していく中で、これからは中小企業、特に地方の企業でもニーズが高まっていくと考えている。その流れの中にあって、ニュータニックスがハードとソフトを分離し、Enterprise Cloud OS単体のライセンス販売を開始したことで、当社が強みとする日本全国をカバーする地域密着の営業体制をフルに生かし、HCIだけでなくさまざまなソリューションを販売できる環境が整った。これが、今回の契約締結の背景にある」と谷水茂樹・経営戦略本部情報戦略部部長は説明する。
 
谷水茂樹
ダイワボウ情報システム
経営戦略本部
情報戦略部
部長

 実際、パートナーからもニュータニックス製品の取り扱いを求める要望は多く出ていたという。DISでは、拡販のため、認定資格者を配備し、Enterprise Cloud OSを搭載したインフラストラクチャーの提供に加えて、構築・運用にかかわるサービスと営業・技術および販売支援を全国で提供できる体制を整備していく方針を打ち出している。

 既に、DISグループのNutanix認定資格者は、技術の資格保有者3人のほか、セールスの資格保有者25人と国内でトップクラスの人員を擁する。さらに、技術系の資格者の増員とともに、セールス系の資格者も全国で養成していく計画だ。

 HCIは、サーバーの仮想化に加えて、ストレージが仮想化されていることにより、導入・運用コストが削減できる。サイジングに悩まされず、スモールスタートから容易にスケールアウトできる点が大きなメリットだ。
 

 「特に、他社製品と比較したニュータニックスの強みは、初期出荷時からCVM(Controller VM)がデプロイされた形で出荷される。しかも、事前に『Foudation』と呼ばれる作業を当社が行って出荷するため、設定が最小限で済み、スムーズに進めることができる」と丹羽政裕・販売推進本部戦略商品推進部戦略・高度化推進グループ係長はいう。
 
丹羽政裕
ダイワボウ情報システム
販売推進本部戦略商品推進部
戦略・高度化推進グループ
係長

 また、ハイパーバイザー「AHV」を標準で付属し、管理ツール「Prism」もプリインストールされているため、別途構築や冗長構成を取る必要がない。加えて、マルチハイパーバイザーであるため、VMwareなどのハイパーバイザーも使える。

 管理ツール「Prism」に備わるアプリケーションライフサイクル管理とクラウドオーケストレーションツール「Calm」を使用すれば、インフラとアプリケーションの両方を管理し、オンプレミスでもクラウドでもPrismから一元管理できる。

 現在、多くの企業はパブリック/プライベートクラウド、オンプレミス、それぞれのメリットを生かした、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境の構築を検討するケースが増えている。これもEnterprise Cloud OSでは、クラウド移行のどの段階でも、シンプルな運用、俊敏性、拡張性というメリットを享受しつつ、必要なコントロールやセキュリティを維持することが可能になる。

「DIS×Nutanix」3モデルを提供
地方の働き手不足の解決に貢献する

 DISでは、Nutanix製のアプライアンスでベースとなるパック構成を作成した。Starter構成(3ノード、8VM)、Medium構成(3ノード、40VM)、Large構成(4ノード、80VM)の3モデルと、あらかじめ構成を作ることで、おおよその価格感が把握できる。

 「VDIのようにユーザー数によってパフォーマンスを上げる必要がある用途では、スケールアウトができるHCIが最適と考えられていたが、中小企業の基幹システム、DRサイトの構築、IoTのエッジとしての活用も考えられる。さまざまなアライアンスによって、全方位で対応していきたい」と谷水部長。

 パートナー向けのサポートでは、全国5カ所で開催するニュータニックス主催のイベント.NEXT JapanおよびX Tour(www.nutanix.jp/invisible/)への出展、共同プロモーションのほか、ハンズオントレーニング、商談の場への技術者の同行など、きめ細かな対応をしていく。パートナーの関心は高く、Enterprise Cloud OSへの期待は高いという。また、DIS主催の総合展示会「DIS ICT EXPO」を今年6月から来年2月にかけて全国各地で実施中だ。

 「HCIはパターンを一つ作成すれば、同じような形での導入が可能になる。パートナーの方々は、アプリケーションの部分で差別化したり、価値を高めたりと、自社の強みを発揮できる」と丹羽係長。

 DISでは、今回のニュータニックスとの契約を機に、全国でHCIの市場開拓を強力に推し進める。

 「特に、地方は働き手の不足が深刻。HCIは、システムの運用管理負荷を大きく軽減する手助けができる。当社として取り組む地方のデジタル化のキーとしていきたい」と谷水部長は抱負を語る。


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外部リンク

ニュータニックス=https://www.nutanix.jp/