【SMB向けビジネスの必須科目2】新連載『SMB向けビジネスの必須科目』では、全国のSIerやIT販社が、彼らの変革をビジネスパートナーとして支えるために抑えておくべきビジネスやITのトレンドを「キーワード解説」の形で紹介していく。第2回は「カスタマーサクセス」。

「カスタマーサクセス」

 クラウドサービスの加速とともに、IT業界では利用した分だけ料金を得るサブスクリプションビジネスが普及しつつある。サブスクリプションでは、売り切り型とは違って長期的な利用につなげないと売り上げが確保できなくなるため、従来とはサービスの提供形態やビジネスモデル、そしてサービス提供側と顧客の関係性が変わってくる。その際に、サービス提供者が念頭に置くべき概念が「カスタマーサクセス」である。

 従来の売り切り型(所有型)モデルでは、ベンダーや販社が自社製品やサービスを販売した時点で「(ベンダー)サクセス」の状態となる。一方ユーザーは、購入自体は目的ではないため双方の「サクセス」のタイミングが一致することはない。また性能面は購入時がピークであり、あとは保険として保守サポート契約を結び、問題が発生した際にその都度対応していく形になる。

 サブスクリプションモデルでは、利用を開始する段階はあくまでスタートラインに過ぎない。「売って終了」ではなく、製品やサービスの利用を通じてベンターとユーザーが利益や成功を求めて並走する形になる。ベンダーは常にベストな環境を用意し、ユーザーが製品を活用することによってビジネスの成功を収めていけば(すなわちカスタマーサクセスが達成されれば)、継続的な製品利用や契約規模の拡大につながり、結果としてベンダーも潤い製品もブラッシュアップされるというWin-Winの図式になる。

 カスタマーサクセスの実現に向けた顧客の支援に対する姿勢も売り切り型モデルとは異なる。従来であれば、ユーザーが困った時や問題が起きた際に連絡が入り、そこから速やかに問題を解決するというのが優秀なサポート(カスタマーサポート)の姿であったが、カスタマーサクセスのゴールはあくまで顧客を業績向上や目標達成など成功に導くことであるため、物事が起きる前に先回りして手を打つ形になる。

 そのためには顧客とのつながりを重視し、ユーザーの利用状況のデータを収集して使われていない部分の機能を改善したり、ユーザーにアンケート調査を実施して課題やニーズを掘り起こしたりする取り組みによって、サービスを最大限に活用して成功体験をしてもらうように努める必要がある。

 これに伴い、クラウドサービスベンダーでは営業やサポート、さらには製品開発にも携わる「カスタマーサクセス部門」の設置も進んでいる。このコストが製品価格に反映される場合も多いが、販売パートナーは製品を売る際にその
意味をしっかりとユーザーに伝えて導入時に最適な判断を行えるように支援する必要がある。

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