【PCビジネスの成長領域はここだ!~新型コロナで変わる市場環境~-7】 新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経験した現在、国内の中堅・中小企業(SMB)でも強制的に働き方改革が進んでいる。企業のITやデジタル活用を正しく成功に導くことが、各地のSIerやIT販社に与えられた役割だ。全国のSIerやIT販社が、SMBの働き方改革をビジネスパートナーとして支えるために抑えておくべきPCビジネスや、ITのトレンドを短期集中連載で紹介。第7回は「モバイルワークステーション」を取り上げる。

テレワーク対応が難しかった専門職を支援する「モバイルワークステーション」

 新型コロナウイルス感染症対策によるテレワークの拡大で、これまで特需的にノートPC市場が活況を呈していたが、ここにきて市場は落ち着いている。家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」のデータによると、2020年1月第4週の販売台数を起点として見ると、Windows 7マシンの買い替え需要が終わって販売台数は一旦落ち込んだが、新型コロナ感染者数の増加が顕著になってきた2月の第4週に回復。そこから5月の第1週まで急伸したが、それ以降急落してほぼマイナスに落ち込んでいる状況である。

 現在、実質的に新型コロナの第2波が到来し、担当大臣からもテレワークが再度推奨されている状況にあるが、すでに多くの企業がテレワーク用のPCを調達していることから、再度在宅勤務が増加しても春先と同様の特需が発生するという状況は見込めない。そこでこの時期に売り手が考えるべきなのは、第1波時にテレワーク対応が難しかった職種を支援するというアプローチである。

 対面でのサービス業やエッセンシャルワーカーといった物理的にテレワークが不可能だった職種以外にも、設計・製造業やデザイン、デジタルコンテンツ制作など、オフィスの設備やマシンのスペックに縛られて出社を余儀なくされていた職種・職場もあった。そこをフォローするのである。

 そのような専門職の現場では、2D/3D CAD(Computer-Aided Design)やCAM(Computer Aided Manufacturing)、科学技術計算、視覚効果ソフトウェアなど、要求の厳しいアプリケーションを遅延なく実行でき、ISV(独立系ソフトウェア会社)からも安定稼働の認証を取得している高性能なワークステーションを使用していることが多い。

 これに対し、昨今では高性能で持ち運びしやすい軽量のモバイルワークステーションが充実してきているので、オフィスのデスクトップをそれらに置き換えれば物理的にテレワークが可能になる。緊急避難的なテレワークのみならず、ニューノーマル時代に即した柔軟な新しい働き方として注目されている社内でのフリーアドレス制度や、サテライトオフィス環境にも対応できるようになる。

 直近のモバイルPCのニーズを見ると、画面サイズの大きい高機能端末が売れる傾向にあるが、これは購入者が働き方と生産性を重視した結果である。そしてこれからのPCニーズも、新しい働き方を見据えた端末がメインになってくると考えられるが、モバイルワークステーションはまさにその一角を担う注目の商材であるといえるだろう。


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