基調講演には、テレワークマネジメントでマネージャー・シニアテレワークコンサルタントを務める鵜澤純子氏が登壇、テレワークの現状とWith/Afterコロナ時代におけるテレワークとビジネスの関わりについて講演した。

マネージャー・シニアテレワーク コンサルタント 鵜澤純子氏

 鵜澤氏は、まず、厚生労働省や日本生産性本部の調査結果を引いて「Underコロナでのテレワーク導入率は、全国の個人レベルで20~30%、都内で50~60%。一方で、自宅勤務で効率が少しでも上がったと感じている人は約30%にとどまる」と報告。効率向上を感じている人が少ないのは、「突然発生」「毎日連続」「在宅のみ」「全員強制」などの悪条件が重なっているためだと説明した。

 さらに、「東商が実施した調査では、『テレワーク可能な業務がない』ことが最大の課題として浮かび上がってきた」と鵜澤氏。テレワークの対象になるのは「切り分けやすい仕事」「集中してはかどる仕事」「重要データが入っていない仕事」という古い固定観念があったのでは、テレワークの導入は難しいと述べた。

 そこで鵜澤氏が勧めるのが、「仕事のやり方を変える」こと。仕事とそのための道具や仲間とのコミュニケーションをデジタル化した“仮想オフィス”を準備すれば、オフィス勤務・在宅勤務・モバイル勤務のどの働き方でも同じように仕事ができるという考え方だ。

 そのための道具立ては、すでにそろっている。例えば、“ハンコ出社”を不要にするクラウド電子決済サービスや電子契約サービス。クラウド請求書サービスを利用すると、請求書もオンラインで発行・送付することができる。

 また、社内の庶務手続きについては、交通系ICカード方式の交通費精算サービスや、レシート画像で経費を精算するサービスでデジタル化するのが便利。チームとしての一体感を保つには出勤者とテレワーク勤務者がハイブリッドで参加できる仮想オフィスツールが効果的で、PCの使用履歴で働き方を可視化するツールがあればテレワーク勤務者の評価も的確に行えるだろう。

 では、今後のWithコロナやAfterコロナの時代にテレワークはどのような姿になるのか。鵜澤氏は、「テレワークそのものが変わってきたし、テレワークがいろいろなものを変えている」との見方を示す。制度面ではテレワーク残業の解禁や在宅勤務手当の新設が見込まれ、オフィスの縮小・解約や通勤形態変更の動きはすでに始まっているという。鵜澤氏は、「今すべきことは、Afterコロナ社会に向けて、正しい方向を向いて進むこと」と指摘した上で「私たちができることは、まだきっとある」と訴えた。