伝統的な保安・監視だけでなく、デジタル変革(DX)やマーケティングなどの新しい領域にもIPカメラを役立てる――。よりスマートで、より安全な世界を目指すアクシスコミュニケーションズは、国内で特に注力する領域として「小売業」「製造業」「スマートシティ」「データセンター」「運輸業」「重要インフラ施設」の六つを選択。さまざまなパートナー企業とのエコシステムを通じて、イノベーティブなソリューションで顧客に価値を提供していく。

伝統的な保安・監視だけでなく 業種特有の課題解決にも役立つ

 アクシスコミュニケーションズは、IPカメラをベースとするセキュリティソリューションを30年以上にわたって国内市場に供給している。親会社のAxis Communications ABは、1996年に世界初のIPカメラを開発したことで知られる。16年に戦略 「Axis 3.0」を発表。「Innovating for a smarter, safer world(イノベーションで世界をよりスマートに、より安全にしていく)」との考えに基づくソリューションを顧客企業に提供している。

 「保安・監視に対する社会のニーズは高まっている。特定の場所だけでなく、線や面でのモニタリングに対する需要も旺盛だ」。市場の状況をこう語るのは、寺田大輔・カントリーディレクター。需要拡大によって、直近3年間における同社の売上成長率は2桁を超えていると胸を張る。
 
寺田大輔
カントリーディレクター

 また、IPカメラの適用対象領域も年々広がっている。例えば、AxisブランドのIPカメラに搭載されたCPUには十分すぎるほどの能力があるので、映像処理だけでなく、エッジコンピューティングによる分析処理などにも活用が可能。寺田カントリーディレクターは、「昨年に深層学習(DL)用のディープラーニングプロセッサー(DLPU)を搭載したモデルもリリースした」と語る。

 伝統的な保安・監視だけでなく、業種特有の課題を解決するのに役立つソリューションも続々登場している。「グローバルには、全てのセグメント、全ての業種向けソリューションのリファレンスケースを用意している」という。日本市場では「小売業」「製造業」「スマートシティ」「データセンター」「運輸業」「重要インフラ施設」の6業種を重点対象業種に位置付け、AxisブランドのIPカメラを使ったソリューションをパートナー企業と開発しているという。
 

セミセルフPOSレジの操作監視やデータセンターの空調制御も可能

 注力業種の一つである小売業向けソリューションとしてすでに実現しているのは、駐車場での空きスペース把握やセミセルフPOSレジの操作監視などだ。入庫する自動車のナンバーを読み取ってCRMシステムに引き渡したり、複数のIPカメラで把握した来店客の動線をもとにマーケティング分析をしたりといったシステム間連携も可能となっている。

 製造業向けソリューションについては、製造ラインでの労災事故を防ぐための監視システムや異物混入や不良品の検出などがある。IPカメラベースの検査システムは、従来のアナログ画像検査システムに比べて価格を低く抑えることができるのが強みだ。

 データセンター用ソリューションとして用意しているのは、入退室管理システムやサーマルカメラによる空調制御システムなど。サーマルカメラは広い範囲の温度をまとめて計測できるので、ラックごとにセンサーを取り付ける方式に比べて導入もたやすい。

 加えて、保守・サポート体制は完全にローカライズされている。無償保証の期間は5年間と長く、故障などが発生した際、卓越した技術力を持つパートナー企業(後述)による質の高い初動サポートに加えて、同社Axisサポートのオンラインヘルプデスク窓口より一報するだけで対応プロセスがスタートする。文面は日本語で記載、代替品も国内の委託業者がユーザーサイトに届けるので、言語の心配は全くない。トラブルシューティングガイドの豊富なコンテンツと合わせて安心して使用できる体制を整えている。

新領域開拓に向けてIT企業などの多様な企業と協力関係を築きたい

 このような魅力を持つアクシスコミュニケーションズの製品は、全て間接販売方式だ。国内のディストリビューターは4社。パートナー企業には、リセラー、SIer、テクノロジーパートナーなどが参加しており、それぞれの強みを生かしたソリューションを顧客企業に提供中だ。

 エコシステムを構成しているパートナー企業の顔ぶれもさまざまだ。「アナログ監視テレビの時代から保安・監視ビジネスに携わっている企業もあれば、最近は自治体における自然災害監視系や街路防犯対策系の事業者や通信事業者なども増えている」と寺田カントリーディレクター。デジタル変革(DX)、IoT、 サイバーセキュリティ、マーケティングといった新しい領域にも力を入れているので、IT企業の参加にも大きく期待しているという。

 パートナー企業向けの教育プログラムについては、技術的トレーニングや最新の製品情報を提供するためのセミナーを定期的に開催している。以前は東京・西新宿にある同社のトレーニングルームを使ってハンズオン形式で行っていたが、コロナ禍では1カ月に10回ほどオンラインで提供する方式で対応。東京まで出向かなくていいので、地方のパートナー企業が参加するのも容易だ。

 このほか、対外コミュニケーションの一環として外部のセミナーでも講師として積極的に発言をしている。「これまで他社の仕事をされていた方々を含めて、リセラー、ディストリビューター、テクノロジー・パートナー、SIerの皆様とフォーメーションを組んでいきたい」と寺田カントリーディレクター。よりスマートで、より安全な世界を目指して、同社はエコシステムのさらなる拡大を目指す。