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霹靂社 生成AI活用にも不可欠のデータドリブン視点 データ活用基盤の整備がDX推進を成功へ

2024/02/15 09:00

週刊BCN 2024年02月12日vol.2002掲載


 特別講演「変革のストーリーから見えるDX基盤整備の勘所~法人向けITビジネスの新たな成長に不可欠な『前提』とは?~」では、合同会社霹靂社・代表(「週刊BCN」前編集長)の本多和幸氏がスピーカーを務めた。

霹靂社
代表(「週刊BCN」前編集長)
本多和幸氏

 本多氏は、まずIT市場の現在の情勢を「ある調査会社のレポートによれば、2023年度のIT予算額は過去最高を記録しており、24年度も増額傾向は続くとみられる」と解説。新規投資の対象分野としては生成AIと機械学習(ML)プラットフォームが上位に挙がっていると紹介した。

 実際のところ、IT業界の23年は生成AIに明け暮れた感がある。国内の大手IT企業も大規模言語モデル(LLM)の開発に乗り出しており、AIインフラの強化・拡張合戦によってGPUが不足する状況も少し前まで続いていた。「ただ、実際の製品やサービスとして本格活用できるようになるのは24年」と本多氏。ユーザー企業とITベンダーの双方が、今のうちから取り組んだほうがいいと促した。

 問題は、生成AIに早期から取り組むにしても、他社との差別化をいかに図るかという点にある。本多氏が示したのは「データこそがAI活用における差別化要素である」ということ。生成AIはデータ活用を進めるためのアクセラレーターであり、データドリブン経営やデータドリブンの考え方を社内に浸透させていくことがDX実現の要諦なのだという。

 そうした取り組みの具体例として、本多氏は自らの取材レポートの中から3件を紹介した。

 例えば、ある中堅のエレクトロニクス商社は、パブリッククラウドの「Microsoft Azure」と「Microsoft Power BI」を使ってデータ活用基盤をスモールスタート方式で構築。経営会議用の資料をPower BIレポートに置き換えて最新の情報をいつでも確認できるようにした。また、全国をカバーする大手運送業はクラウドBIツールの「Domo」を導入して予実データ分析をスピードアップした。

 データ活用基盤の整備は、地方自治体でも進んでいる。東海地方のある県は、行政DX推進プロジェクトの一環としてデータドリブンを推進中。システムや部署ごとに散らばっていたデータを集約し、外部データ(AIカメラ、公開API、Google広告など)と組み合わせて活用している。基盤に使われているのは「Google Cloud」で、「BigQuery(クラウドDWH)」や「Looker Studio(クラウドBI )」なども採用した。

 「顧客にとって価値があるDX提案には、データドリブンの視点が欠かせない」と本多氏。顧客のビジネスと課題を深く理解した上で、中長期的な成長を見据えたオファリングをぜひ届けてほしいと述べて、講演を締めくくった。
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