世界初
(1) のノートPCである「dynabook」は誕生から36年を数え、日本を代表するPCブランドとして広く浸透している。2024年度にはノートPCのブランド別で国内シェア1位
(2) を獲得し、市場からの高い評価を裏付けた。そのブランド力の根源には、製品開発を支える技術力はもちろん、全国約50カ所の拠点で構成される営業・サポート網、さらには各拠点と深くつながるパートナーの存在がある。各拠点の実態を通じて、コンピューティングとサービスで地域の顧客を支え続けるDynabookの本質に迫る。
第5回は関東北信越支店に焦点を当てる。2025年4月に北関東支店、新潟支店、北陸営業所が統合して発足した同支店は、埼玉、栃木、群馬、長野、新潟、石川、富山、福井の8県を三つの営業部でカバーする。両満貴・支店長は「パートナービジネスを主体にした支店」と位置付け、地域ごとに異なる商慣習やニーズに合わせた施策を展開する。支店を管轄する石川祐介・支社長は今後の拡大に向けてハイタッチ営業の強化が課題になるとみている。
(1):1989年、世界初のノートPC「DynaBook J-3100 SS001」を発売
(2):「IDC Quarterly Personal Computing Model Analysis」(※)は、IDC独自の調査手法に基づき、各情報ソースのガイダンスを用いて、PC製品市場規模、ベンダーシェアの実績や市場予測を定期的に提供するデータベース製品です
※Source:IDC Quarterly Personal Computing Model Analysis 2025Q3 Share by Brand ※2024年(1月~12月) ALLSegment合計。Dynabook社のシェアは14.7%
関東北信越支店 パートナーと連携し、多様な地域に密着
関東北信越支店は、大宮に拠点を置く北関東PCソリューション営業部、北関東フィールドサポート部をはじめ、新潟、北陸の各営業部を管轄する。両満支店長は「8県を約40名の営業で担当するのはかなり厳しい。だからこそ、エリアごとのパートナーの皆様といかに連携できるかが非常に重要なポイントになる」と語り「営業とサービスが同じ地域の拠点で活動している点をアピールして、このメリットを理解いただけるようにしたい」とする。
関東北信越支店
両満 貴 支店長
大宮は豊洲の本社に比較的近く、本部との連携も取りやすい。両満支店長は「大宮を起点に、新潟や北陸に最新の情報が流れるようにしている」と話す。
広域にわたる担当エリアでは、地域によって顧客の層やニーズが大きく異なる。両満支店長は「首都圏に近い北関東と、日本海側の新潟や北陸ではお客様のニーズも全く違う。地域に合った提案ができるかが重要だ」と強調する。一方で、モバイルPCに強いDynabookの製品力と、営業とサービスが一体となった体制は全エリア共通の武器だ。今後はeSIM内蔵端末「dynabook eSIM Startin'」や「Copilot+ PC」といった新製品の提案にも力を入れていく考えだ。
ハイタッチ営業については公共分野で手応えがあり、この勢いを民間にも広げたいとする。「ハイタッチ営業を強化すれば、普段、私たちとお付き合いのないパートナーの皆様にも目を向けてもらえると感じる」と語る。
新しい支店としてスタートしたばかりだが、支店の規模は大都市圏に近い大きさがある。「他の支店の手本となれるように努めたい」と意気込む。
関東北信越支店/北関東PCソリューション営業部/
北関東フィールドサポート部
〒331-0812
さいたま市北区宮原町2-107-2(埼玉シャープビル 2階)
電話番号:048-660-0030
北関東PCソリューション営業部
自治体への営業に手応え
北関東PCソリューション営業部は、埼玉、群馬、栃木、長野の4県を担当する。大島部長は「営業部ではPC販売およびソリューションの提案を基盤に、パートナー様の開拓、新規顧客の獲得を課題として取り組んでいる」と語る。
北関東PCソリューション営業部
大島直樹 部長
パートナー開拓の手法として注力しているのが、ハイタッチ営業だ。特に埼玉県内の自治体を中心に訪問を重ねている。「ハイタッチでお客様に製品の良さを伝えると、パートナー様にも『Dynabookが最近元気だ』と認識していただける。お客様からパートナー様にdynabookに関する問い合わせが寄せられ、結果としてパートナー様に当社の製品を選んでいただけるようになる」と大島部長は説明する。
「Windows 10」のサポート終了に伴う買い換え需要は一段落しつつあるが、今後の反動減を見据え、パートナーの拡大と新規顧客の開拓を急ぐ構えだ。
北関東フィールドサポート部
独自サービスで顧客との関係を深化
北関東フィールドサポート部は、埼玉、群馬、栃木、長野に加え、石川、富山、福井の計7県を担当する。佐藤部長は「キッティングをはじめ、SSDへの換装サービス、他社製品も含めたPCの買い取りサービスなどの取り組みを独自に展開している」と話す。
北関東フィールドサポート部
佐藤貴弘 部長
こうしたサービスは昔から継続しており、特に群馬や長野など地元に根付いた拠点では、長年の付き合いから「PC周りで困ったらまずDynabookに相談してみよう」という信頼関係が築かれている。「継続的に受注できているのは、こうした細かいサービスの積み重ねによるもの」と佐藤部長は語る。
営業部との連携によって、顧客のニーズに即した幅広いサービスが提供できる点も評価されているという。顧客の情報システム部門の人材不足が深刻化している点を踏まえ、今後はLCM(ライフサイクルマネジメント)運用サービスの提案を強化し、ワンストップで対応できるメリットをさらに訴求する考えだ。
新潟PCソリューション営業部
SEと営業のタッグでソリューション提案
新潟PCソリューション営業部は新潟県全域を担当する。小川部長は「民間のお客様に対する直販での対応のボリュームが大きい点に特徴がある」と語る。民間直販ではSEと営業がタッグを組んでソリューション提案に取り組んでいる。
新潟PCソリューション営業部
小川哲哉 部長
新潟ではここ数年、モバイルPCの需要が急増している。「リモート会議や在宅勤務の広がりで、自治体でもモバイルPCを導入する動きが活発になった」と小川部長は説明する。特に文教向けでは校務用としてタッチパネル液晶を搭載したコンバーチブルタイプの「dynabook V83」が好評だという。
民間向けのソリューションビジネスは、時間や人手が必要で一足飛びに拡大することは難しい。それでも「今までのお客様だけで満足することなく、新しいお客様を絶えず意識して、どれだけ広げていけるかということは、これからの課題だ」と力を込める。
新潟フィールドサポート部
顧客と長期にわたる信頼関係を構築
新潟フィールドサポート部は、修理・サポートに加え、導入支援やソリューションの提案・構築まで幅広く手掛ける。能瀬部長は「新潟はソリューションを非常に得意としている拠点」とする。
同部にはSEが在籍しており、ある顧客の工場DXでは全ての窓口を担い、Dynabookでは取り扱っていない領域のソリューションについても、他のベンダーとも協力しながらニーズに合った提案から導入サポートまで一貫して対応している。仮想化基盤の構築も得意分野で、豊富な実績を有している。
新潟フィールドサポート部
能瀬良明 部長
「新潟のメンバーは10年、20年と長く在籍している人が多く、お客様と良い関係を築けている」と能瀬部長。DynabookはPCだけでなくIT周り全般を相談できる存在として信頼を得ている。一方でメンバーの高齢化が進んでおり、技術やノウハウを次世代にいかに継承していくかが課題だ。
新潟PCソリューション営業部/新潟フィールドサポート部
〒950-0088
新潟市中央区万代3-1-1(新潟日報メディアシップ 10階)
電話番号:025-255-6522
北陸PCソリューション営業部
潜在性の大きい市場に挑む
北陸PCソリューション営業部は北陸3県を担当し、売上の半数以上を自治体案件が占める。佐々木部長は「パートナー様との協業や、それによる販売台数規模の拡大など、まだ伸びしろがある。取り組みを工夫しているところだ」として、営業を強化しており、徐々に効果が出始めている。他社製品をメインに扱うパートナーでもdynabookを販売するケースも増えてきた。
北陸PCソリューション営業部
佐々木宗司 部長
地元のパートナーからは「製品ラインアップの豊富さ」や「国内メーカーとしての品質」が評価されているという。営業とサービスが近い距離で連携できる点も強みで、キッティングやトラブル対応にもスピーディーに動ける体制が、パートナーからの信頼につながっている。
「Windows 10」のサポート終了後も、中小企業を中心にまだ切り替えが進んでいない顧客は多い。パートナーと協力しながら、こうした需要の掘り起こしにも取り組んでいく構えだ。
北陸PCソリューション営業部
〒921-8801
石川県野々市市御経塚4-103
電話番号:076-240-2264