6月3日のセッション2には、Smartsheet Japanの嘉規邦伸・社長が登壇し、最新AIを搭載した次世代の業務実行基盤「Smartsheet」が実現する業務プロセス変革について講演した。
Smartsheet Japan
社長執行役員 嘉規 邦伸 氏
現在、多くの企業が深刻な労働力不足に直面している。嘉規氏は「人は増やせないが、これまで以上のアウトプットは求められる」という社会背景を指摘する。だが、現場の担当者は昨日までやってきた業務のスタイルを、今日も明日も同じように繰り返していく、という現状維持に陥りがちだ。一方で、経営層はこの状況に危機感を持ち、業務プロセス、プロジェクト管理の効率化に強い課題感を感じている。
その解決策となるのが、AI業務管理プラットフォーム「Smartsheet」。一般的なERPやCRMがベンダー指定の枠組みに業務を合わせるのに対し、Smartsheetは個々の企業によってやり方が全く異なる業務プロセスを柔軟に表現できる点が強みだ。基本機能は「シート」「レポート」「ダッシュボード」「フォーム」の4要素からなり、スプレッドシートに似た直感的な操作性を備える。
例えば、Data Shuttle機能で既存システムと連携し、データのサイロ化を防いで情報を集約することで、経営陣がプロジェクトの進捗や予算状況をリアルタイムで俯瞰的に把握できるようになる。ある企業の情報システム部門の例では、フォームから申請するだけで、ワークフロー機能が後続の承認プロセスを自動で回していく。そこで遅延や予算超過が発生した際も、ダッシュボードを通じて、遅れているプロジェクトをどうやって元のスケジュールに戻すか、といった建設的な議論が可能になる。嘉規氏はこれを「一歩進んだ攻めの経営」と表現した。
次いで、SmartsheetのAIを活用した実践的な業務効率化について触れた。SmartsheetはMCPサーバーを通じて「Claude」などの生成AIと連携し、自然言語で操作やデータ分析ができる。例えば、「予算を超過したプロジェクトのグラフを出してほしい」と指示するだけで、AIが自動でダッシュボードを生成する。嘉規氏は「Smartsheetの使い方が分からなくても、正しくプロンプトを書くだけで問題なく使える。そんな時代がすでに到来している」とした。
導入効果も大きい。ある国内製造業が、要員150人の部門に導入した結果、年間1万1200時間の業務削減に成功した。これは6~7人の新たな人員獲得に匹敵する。削減された時間は新たな製造ラインの構築など付加価値の高い業務へ振り向けられ、「人は増やせないがアウトプットを上げる」という課題の解決につながっている。
最後に嘉規氏はSIer、販社に向けて、「会社全体の業務プロセスをSmartsheetプラスAIで大きく改善できることをお客様にアピールし、提案してほしい」と語った。