セッション1では、Extreme Networks営業本部文教営業部アカウントエグゼクティブの時田雅文氏が、「ネットワークで実現するゼロトラスト 国が推奨するテクノロジーのご紹介」と題し、次期教育ICT基盤整備に向けた実践的なアプローチを解説した。同社は、メジャーリーグベースボール(MLB)の公式Wi-Fiソリューションプロバイダーであり、MLBスタジアムなど高密度環境で培った強固な無線技術を、学校環境に応用したソリューションを提供している。
Extreme Networks/営業本部
文教営業部/アカウントエグゼクティブ
時田 雅文 氏
時田氏は、文部科学省の公務DXガイドラインから「ネットワーク統合」「ゼロトラスト」「クラウド化」「ロケーションフリー」の四つのキーワードを示し、「公務DXで国が求める要件は、ネットワークで解決できる範囲が非常に広い」と述べ、端末やクラウドだけでなく、ネットワーク側でゼロトラストを実装する有用性を強調した。
旧来の物理的に分離されたネットワークの統合は業務効率化に必須だが、マルウェアの横展開リスクが生じるためゼロトラストが不可欠となる。同社のネットワーク仮想化技術「Fabric Connect」は、一つの大きな部屋を鍵付きの小部屋に細かく仕切るという論理的なマイクロセグメンテーションにより、マルウェア被害の拡大を封じ込めることができる。また、自由なネットワーク構成に対応し、SPB(Shortest Path Bridging)プロトコルによって障害発生時には0.2秒で最短経路へと切り替わる。「授業中にネットが落ちて授業が止まることは教育現場では致命的で、この0.2秒の価値が教育現場に直結する」と訴えた。
具体的な実装として、アイデンティティに基づくアクセス制御を、エッジとなる無線APやスイッチの段階で実現する手法を紹介した。同社は、米国国立標準技術研究所(NIST)のガイドライン「NIST SP800-207」準拠のゼロトラスト認証基盤を提供するが、これは日本政府も推奨するものだ。この認証基盤やMDM連携により、エージェントレスでセキュアな環境を構築できる。ロケーションフリーの働き方を支える動的制御では、「認証された人の目の前にだけ橋がかかり、渡り終えたら橋が消える」と表現し、攻撃者に侵入経路を与えない仕組みを説明した。加えて、端末の状態変化を検知して通信を遮断するなど、常に検証するというゼロトラストの本質を実装する点をアピールした。
次いで、ネットワーキング、セキュリティー、AIを統合したオールインワン型プラットフォーム「Extreme Platform One」を紹介した。AIの活用で、設定作業を1回のプロンプト入力で完了できるなど、専任技術者がいない学校でも運用を回せることに加え、ハードと切り離されたサブスクリプションモデルにより、初期投資の抑制と予算の平準化が図れる。最後に、次期ネットワークの更新需要は「単なる機器の入れ替えではなく、学校ネットワークのアーキテクチャーそのものを刷新する数年に一度の機会」とし、同社製品の商材での活用を訴えた。