NTTコムウェアは大きな変革に立ち向かっている。主要顧客であるNTTグループが向こう2年をかけてコストを大幅に削減する影響で、売り上げは一時的に数百億円程度減少する。その後、無線通信の増大に対応し、NTTグループのITインフラを抜本的に刷新するソリューションの提案によって、年商を現状の2000億円から3500億円に引き上げることを目指す。社員のモチベーションを高めて、いかに組織力を引き出すか。2012年6月に就任した海野忍社長の手腕が問われている。
グループ内、グループ外、海外の三本柱体制へ
──NTTグループは向こう2年で4000億円ほどのコスト削減を掲げていて、情報システムへの投資も抑制の対象になるようですね。NTT東西やNTTデータなど、グループ会社を重要なお客様とする御社は、数百億円の売上減少を見込んでおられると聞いています。 海野 「犠牲」という言葉はあまり使いたくないですが、NTTグループの一員である当社は、グループのコスト削減に貢献することがミッションとなっています。NTTコムウェアの社長として、つらい心境であるのはいうまでもありません。しかし、将来、NTTグループとしてグローバルで力を発揮するために、今回のコスト削減は欠かせないとみています。
そして、当社の売り上げが減るのは、あくまでもこの先の2年の期間です。その後は、グループ内外ともに需要が旺盛になると捉えていて、現在、どのようにしてその需要を獲得するかについて計画を練っているところです。
ご存じのように、固定回線の需要がどんどん縮小して、無線通信が速いスピードで増大しています。そんな状況にあって、NTTグループは課金や請求書の発行、顧客管理に関して、ITシステムのアーキテクチャを根本から見直すことを迫られています。これらの分野で長年にわたってノウハウを培ってきた当社にとって、腕の見せどころです。NTTグループのシステムの入れ替えは相当大きな仕事なので、それなりのボリュームの案件を見込んでいます。
──御社は2022年までに、売上高を1500億円上乗せして3500億円に引き上げることを目標としておられます。NTTグループ向け案件だけで達成できるのでしょうか。 海野 いや、これとは別に二つの柱を考えています。一つは海外ビジネスの立ち上げで、もう一つはグループ外向けの展開を強化することです。
先日、海外ビジネスの立ち上げに向けた第一歩として、4人体制の専任チームを立ち上げました。このメンバーを中心に、海外で見本市を回って現地情勢について情報を吸収したり、地場の通信キャリアと話し合ったりして、立ち上げの準備を進めています。海外の地場の通信キャリアは、NTTグループの現地法人に加え、主要なターゲットになります。2022年までに、海外の売上比率10%を目指しています。
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