基幹システムにもクラウドの波が押し寄せている。その潮流をリードしてきたのが、クラウドERPのトップベンダーである米ネットスイートだ。しかし昨年、ERPの巨人である独SAPがクラウドERP「Business ByDesign」を日本市場にも投入したほか、国産ERP・業務ソフトベンダーもクラウド商材の展開を活発化させるなど、市場は激しく動いている。米ネットスイートでアジア太平洋地域を統括するマーク・トラセル氏に、日本市場での戦略をうかがった。
日本がネットスイートの成長をけん引
──2013年のグローバルの売上高は、最終的に4億1450万ドルになりました。昨年5月の年次カンファレンス「SuiteWorld 2013」で発表された業績予想を上回る実績ですね。 トラセル 2013年は、ネットスイートにとって、大きな成功を手にした年になりました。四半期の売上高で初めて1億ドルを超えましたし、引き続いて成長しています。
日本法人はそのなかでも非常に大きな役割を果たしています。すでに約200企業のユーザーに当社のソリューションを導入していただいていますが、2013年はアシックスなど非常に著名な企業を新規ユーザーとして獲得することができました。2014年も、日本がネットスイート全体の成長をけん引してくれると期待しています。
──日本法人の業績については具体的な数字を公開しておられませんが、満足できる水準ですか? トラセル 満足という言葉では表現できないほど満足しています(笑)。新規ユーザーが増えていますし、案件の内容も、著名企業の採用があって、基幹システムのクラウド化に対する市場のニーズが高まるなかにあって、トップベンダーとしてそれに応えることができているという手応えがあります。その証明として、ユーザーからの問い合わせが昨年から4倍以上に増えています。
──アジア太平洋地域を統括する立場にあって、日本の市場やユーザーの特性をどうみておられますか。 トラセル ITへの投資価値を判断する際に、日本の市場はかなり厳しい見方をする傾向があると感じています。ただ、ネットスイートのアプリケーションやソリューションはクラウドネイティブであり、急速に変化するビジネス環境やテクノロジーの進化に対して、非常に高い適応力をもっています。そうした価値を評価してくれるユーザーが、日本で急増しているのは間違いありません。
もちろん、多国籍展開を前提としていることも強みです。多言語・多通貨対応は当然として、セキュリティや現地のコンプライアンス対応など、システム開発の課題となる部分を最初からパッケージとしてクリアしており、要件定義の煩わしさから解放されます。だからユーザー企業のチャレンジをスピーディーに支援できるのです。ネットスイートの製品を導入することで本当に効果が出るのか疑問に思っている企業にも、ぜひ試してほしいですね。
また、日本に限ったことではありませんが、インターネットをビジネスの核として積極的に活用している企業とネットスイートは相性がよく、親和性が高い。これからもフォーカスしていくべき分野だと考えています。
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