市場が変わる、ライバルが変わる──。目まぐるしく変化する事業環境を先取りすべく、日立ソリューションズは民需に特化したSIerとして生まれ変わった。国内市場メインの官公需は日立製作所本体へ移管し、日立ソリューションズはグローバルビジネスを強く指向するSIerとして再スタートして、半年あまりが経過した。大きな変化に当初は戸惑いの声も聞こえてきたという新生・日立ソリューションズだが、佐久間嘉一郎社長は強力なリーダーシップを発揮して、グローバル市場への本格的な参入へと舵を切る。
士気が高まる、危機感を背景に
──民需に特化したSIerとして再スタートして、初めての上半期が終わったわけですが、振り返ってみてどうですか。 大きく変わりましたよ。ざっくりいうと昨年度(2015年3月期)まで当社が受けもっていた官公需は、日立製作所本体へ移管し、今年度(16年3月期)からは民需にほぼ特化したSIerに生まれ変わりました。単体ベースでみると売り上げの半分が官公需で占めていましたので、これを日立本体へ移管したことで、単体の社員数も約1万人から5000人規模へと半減しました。
上半期を振り返ってみて、社内が一糸乱れず、理路整然とコトが進んだかといえば、正直、そんなことはないです。今期連結ベースの売上高も昨年度から1000億円ほど減って2500億円程度の着地を見込んでいますので、“一回り小さくなった感”は否めません。「あなたは日立ソリューションズの大切な部分を削り取るために社長をやっているのか」といった社員からの刺々しい声なき声、ニュアンスもなきにしもあらずでしたね。もちろん、そうではなく、日立ソリューションズを世界で通用するSIerにするための再編なんだと、国内外すべての社員が納得するまで説き続けてきました。
──よい反応は得られましたか。 「新生日立ソリューションズをどうすべきなのか」「赤字になってしまうのでないか」「会社やビジネスをこう変えていこう」──といった、さまざまな不安や危機感を織り交ぜながらも、会社を成長させるためにドライブをかけていく雰囲気、士気が高まってきた確かな手応えを感じています。
当社はすでに連結社員数1万1000人あまりのうち、海外社員が1000人を占めるようになっており、グローバルビジネスの伸びとともに、10人に1人以上が海外社員となる日もそう遠くはない。国内外の社員にわかりやすいメッセージとして、「One Hisol、One Joho、One Hitachi」を発してきました。Hisol(ハイソル)は当社の略称、Johoは日立本体の社内カンパニーの情報・通信システム社を指し、三つ目のOneは日立グループの一体感を示しています。
──つまり、民需に特化しつつも、日立グループとの一体化を目指すということでしょうか。 日立の情報・通信システム事業全体では、今年度連結売上高で前年度比3%増の2兆1000億円を目指しています。そして当社は、このなかの中核SIerの一翼として貢献度を一段と高められるかどうかが問われているのです。
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