──ほかの3事業のビジネス状況はいかがですか。 製造流通ソリューションでは、基幹システム、ERPフロントソリューション、データ統合管理の領域で製造・流通市場に貢献していきます。現在売り上げ構成比率が大きいのはアルプスグループ向け(内販)ですが、今年度からは外販向けの動きを強化しています。
セキュリティソリューションでは、インターネットアクセスマネジメントと情報漏えい対策という二本柱でソリューションを提供してきました。サイバーセキュリティ対策などの需要が堅調です。また、これからは、パッケージソフトの提供からサービスの提供へのシフトを積極的に進めていきます。
ファームウェアソリューションでは、親会社のアルプス電気との連携をより強固にし、これまで進めてきた車載、モバイル、通信、センサの技術を深め、ビジネスを拡大していきたいと考えています。
──とくに注力していく事業はありますか。 いずれの事業もバランスよく伸ばしていこうと思っており、順位づけはしていません。IoTソリューションで3事業の融合を図りながらビジネスの拡大を目指します。
顧客に感動を与えるサービスを提供する
──今、課題と感じていることありますか。 大きくは二つあります。一つは、先の話にもありましたが、サービス化への対応です。民間企業は「クラウドファースト」の考えのもと、ハードやソフトを買うより借りるようになってきています。それに対しては技術的な課題もありますが、サービスの収益構造としては、毎月の利用料が入ってくるというかたちが主流ですから、初期投資を回収するまでにより多くの時間がかかることになり、ビジネスモデルが従来とは変わってきます。そのあたり、事業のバランスをとりながらどううまくマネジメントしていくかが一つ課題としてあると認識しています。
もう一つが、お客様に接するにあたってのマインドチェンジです。これまではIT部門のお客様が中心でした。しかし現在は、企画やマーケティングといったIT部門以外のお客様も増えており、そうしたお客様はITを求めているのではなく、「IT活用によって生まれる価値」を求めています。つまり、ITを提供する側の当社としては、「プログラムをつくって売る」ことから、「サービスを使って、いかにお客様の経営や事業に貢献できるか」ということに考え方を変えていかないといけません。
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