──顧客の属性や要望の変化に対応しなければならないということですね。 なぜそう思うかというと、私自身、ユーザー側のIT部門に所属していた期間が長かったからです。ユーザーのIT部門からすると、よいITを提供してくれるベンダーよりも、ユーザーとしての投資をきちんと回収できる提案を一緒に考えてくれるベンダーの方が好ましく思います。だったらうちもそういうベンダーになろうよと。お客様に感動いただけるようなサービスを提供することが目標です。
──数値的な目標はどのように描いていますか。 東京五輪が開催される2020年に、ALSIは30周年を迎えます。そこに向けて、昨年度88億円の売り上げを100億円に、営業利益率は10%を目指したい。これは、リアルな数値として視野に入っています。既存の3事業を中心に売り上げを伸ばし、IoT事業を成長させていきたいですね。

新事業は青年のような想いで、
チャレンジ精神を前面に推し進めていきたい
<“KEY PERSON”の愛用品>フレームはゴルフにちなみ「グリーン」で 15年もの長きにわたり愛用しているメガネ。ふだんはメガネをかけないが、趣味のゴルフをする際には使用しているという。ちなみに、メガネケースに貼ってあるシールは、お子さんからもらったものだとか。

眼光紙背 ~取材を終えて~
永倉社長のビジネスパーソンとしての転機は、入社2年目で経験した英国出張。当時、英語は得意ではなかったが片言の英語で相手に伝えようとすると、その姿勢が相手に伝わり、周囲の助けを得ることができたのだという。「前向きに必死で頑張ることは、時として先に進むために必要なことだ」と実感した永倉社長。現在、「単に仕事のスキルアップだけではなく、人間としての成長も事業を大きくする」との思いのもと、「社員一人ひとりの成長の総和が、事業の成長の大きさとなる」との考えを大事にし、社員に向けても伝え続けたいと話す。
これまで事業部間の関係性が薄いことが課題だったALSIだが、IoTに取り組み始めて以降、複数の事業部合同での勉強会などを開催し、仕事上の連携も深まりつつある。30周年を迎える2020年へ向け、ALSIの真価を発揮するための準備が着々と進んでいる。(宙)
プロフィール
永倉 仁哉
永倉 仁哉(ながくら じんや)
1961年、宮城県生まれ。84年、東海大学工学部経営工学科卒業後、アルプス電気に入社。海外システム課、盛岡事業部システム係を経て、2000年より本社情報システム部に所属。情報システム部部長を務めたのち、12年6月、ALSIの非常勤取締役。15年4月、常務取締役就任。16年6月から現職。
会社紹介
1990年、電子部品の総合メーカーであるアルプス電気のグループ会社として設立。「製造流通ソリューション」「セキュリティソリューション」「ファームウェアソリューション」の3事業を展開するとともに、今年度より新事業として「IoTソリューション」を推進する。16年3月期の売上高は88億5300万円、営業利益は4億4800万円。社員数は349人(16年6月現在)。