Re:プラットフォームで変革起こす
──どんなユーザーからの引き合いや受注が多いのですか。
オンプレミスで使いたいというユーザーが最も多いですね。SIerなどの情報サービスベンダーは自社のデータセンター(DC)で、ユーザー向けのサービス基盤としてご採用いただくケースが多い。
これまで企業のオンプレミスで足りていなかったのはウェブスケールやコンシューマグレード、ワンクリックといった要素です。ウェブスケールとは、いわゆるGoogleやFacebookといったDC運営のお手本のような会社が実現している分散ストレージ技術に代表される俊敏で柔軟な拡張性のことで、コンシューマグレードとは、コンシューマ向けに提供されているようなコンピューティングを企業のオンプレミスでも実現できるようにする仕組みを指しています。
こうしたコンピューティングを、まるでスマートフォンを操作するようなワンクリック(ワンタップ)で使える手軽さをひたすら追求しているのがニュータニックスのハイパーコンバージドインフラです。企業のITインフラを変革する意味で「Re:プラットフォーム」といっています。
──昨年9月には米新興企業向け株式市場のNASDAQに上場するなど、業績好調のようです。
ニュータニックスは今年で創業8年目になる若い会社で、ここ4~5年で急成長しました。最初に火がついたのは仮想デスクトップ(VDI)のサーバーで、直近の顧客数は5000社を超えるまで伸びています。今でもニュータニックスといえばVDIサーバーをイメージするユーザーは少なくありませんが、本質は、従来型のオンプレミスやクラウド以外の第3のプラットフォームの選択肢をユーザーに提供している点にあります。
──町田さん、いつもとてもパワフルで楽しそうにお仕事をされていますが、これまでを振り返って一番うれしかったことはなんでしょう。
常に時代の最先端に身を置くことができたことでしょうね。今もこうして「Re:プラットフォーム」の先頭に立っている自負があり、これが喜びや楽しさ、あるいは私の力の源になっているのかもしれません。インテルに勤めていたとき、自分たちの製品を打ち倒すのは、いつも自分たちの新製品でした。自分で自分を乗り越えていくことが、つまり最先端に立ち続けるということだと、身をもって体験しましたね。
誰かが起こしたムーブメントに乗っかるのではなく、自分たちが業界の新しい風を起こす気概が大切で、デルに勤めていたときも、同じ新風を感じていましたし、今のニュータニックスでも、新しい潮流をつくっていきます。
常に時代の最先端に立っていることが、
私の力の源になっているのかもしれません。 <“KEY PERSON”の愛用品>修理しながら四半世紀余り愛用 四半世紀余り愛用している米ハートマンの鞄と財布。1987年からインテルに約20年勤めていた町田氏だが、当時のコミュニケーション手段は直接会うことが基本。米本社での会議などのため「ハートマンの鞄とともに四半期に1度は渡米していた」と話す。

眼光紙背 ~取材を終えて~
システム負荷のピーク予測がついているシステムで、かつ長期間使うものなら「オンプレミスのほうが基本的には安い」と町田社長は指摘している。毎月課金され続けるパブリッククラウドは、いつかの時点で買い取り価格を上回る。
しかし、従来型のオンプレミスがクラウドよりもすぐれているということにはならない。町田社長の言葉を借りれば「ウェブスケールではなく、コンシューマグレードでもなく、ワンクリックでもない」といった具合。システムの負荷の予測がしにくいSoE(価値創出型システム)領域のIT基盤は、事実上クラウド一択になってしまっている由縁でもある。
クラウドのよいところ、あるいはクラウドのアーキテクチャを採り入れてIT基盤を統合し、アプライアンス化したのがニュータニックスのハイパーコンバージドインフラであり、「IT基盤の選択肢の幅を広げていく新しいアーキテクチャだ」と意気揚々と話す。(寶)
プロフィール
町田栄作
(まちだ えいさく)
1957年、兵庫県生まれ。80年にIT業界に足を踏み入れ、87年にインテル入社。20年にわたって営業やビジネス開発に従事。04年、取締役事業開発本部長。06年、デル入社。執行役員などを歴任。16年11月1日付でニュータニックス・ジャパン社長に就任。
会社紹介
ニュータニックスは、2009年に創業した米国のハイパーコンバージドインフラ会社。一部、アプライアンスも手がけながら急成長し、16年9月に米NASDAQに上場。昨年度(16年7月期)の連結売上高は、前年度比84.3%増の4億4500万ドル(約490億円)。国内ハイパーコンバージドインフラ市場は、年率40%を超える勢いで成長すると同社ではみている。