KeyPerson
最新のデジタルサービスを最短で実装する
NECネッツエスアイ 代表取締役執行役員社長兼CEO兼CENO
大野道生
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2025/09/01 09:00

週刊BCN 2025年09月01日vol.2073掲載
(取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝)
「クイック・ライト」は規模を問わず
――新体制の狙いからお聞かせください。NIerである当社と、SIerのネクサソリューションズをグループ化することで、全体の事業規模を拡大し、ネットワーク構築から業務システム開発まで一気通貫で手掛けられる体制を整えることが狙いです。顧客ターゲットや事業領域については、短納期で素早く最新のデジタルサービスを実装するクイック・ライトなITサービスを軸にビジネスを伸ばしていくことを基本としていきます。
――ネッツエスアイは通信キャリア向けネットワーク構築や、携帯電話の通信基地局の建設など大規模なNIも手掛けており、クイック・ライトとは距離があるように見えます。
クイック・ライトは、必ずしも小規模なビジネスを指しているわけではありません。ご指摘の通り、当社は大規模な通信インフラの構築事業を多数手掛けていますが、その中にも新しい技法を取り入れることで納期を短縮したり、他社に先駆けて最新のデジタル技術を応用することは十分に可能です。
極端に言えば、10年かかるような社会インフラの構築を2年で実現できるようになれば理想的ですよね。通信のような社会インフラは災害に強く、冗長性に優れた基盤であるべきことは言うまでもありませんが、だからといってクイック・ライトを追求しなくても良いということにはなりません。むしろ、ただでさえ時間がかかる大規模ネットワークの構築だからこそ、クイック・ライトで少しでも素早く利用できるようになれば競争力の向上に直結します。
ただ、実のところクイック・ライトは「言うは易し」で、当社にとって非常にチャレンジングな戦略目標でもあります。しかし、AIエージェントの活用が良い例で、近い将来、事務作業の多くをAIエージェントに任せられるようになるでしょうし、ネットワーク設計やソフト開発の生産革新、運用の自動化への応用も急ピッチで進む見込みです。当社としてもAIエージェントをうまく使ってクイック・ライトを推進していきたいと考えています。
外部環境に目を向けると、米国の高関税に伴うグローバル規模でのサプライチェーンの再編や、地域紛争や資源高といった変化が生じています。こうした変化に素早く、最小限のコストで対応していくこともクイック・ライト戦略の一つです。そのためには、ネクサソリューションズと二人三脚で変化に富んだ社風をつくり、ユーザー企業や社会の需要に応えていきます。
- 専門人材をワンストップでそろえる
- エンジニアリング事業を直轄に
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料) ログイン会員特典
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。 - 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!
- 1
関連記事
相次ぐITベンダーの再編の狙いとは 拡大する需要の取り込みへ対応強化