編集部

「WBP98シリーズ」 LAN市場はこれで開花

 RAMボードをはじめとするパソコン周辺機器の総合メーカーとして知られるメルコは今月11日、米国で急上昇中のピア・トウ・ピア型のLAN「WEB」を採用したLANパック「WBP98シリーズ」を発表、LANメーカーとしてのスタートを切った。同社におけるLANビジネスの位置付けと今後の展望を牧誠社長に聞いた。
 

●総合周辺機器メーカーの必須商品

 Q今回のLANにはどんないきさつから参入することになったのですか。

 牧 当社はプリンタバッファから出発し、RAMボードで大きく成長しました。今後は個別商品展開ではなく、パソコンを使いやすくするための周辺機器環境全体の整備が大切だと考えており、周辺機器の総合メーカーとしての道を歩んでいます。CPU能力を向上させるアクセラレーターなどもその一環ですが、重要なのがLANです。

 パソコン同士を接続するPC-LANは、利用環境の質的向上を実現し、パソコン活用を新しい段階へと推し進めます。総合周辺機器メーカーにとって、LANの重要性はさらに高まっています。

 Q 先行するLANメーカーが多いにもかかわらず、あえて参入する意図について。

 牧 周辺機器は単独で使用するのではなく、いろいろと組み合わせて使用することが多いのですが、ここで商品の相性という問題が生じます。RAMボードも倍速CPUも商品間には相性があり、LANが絡むと、問題は一層複雑なものとなります。エンドユーザーとしては、相性の良い商品群を組み合わせたいのが当然で、当社のような総合周辺機器メーカーであればこれが実現できます。

 今回の商品は、米国製LANを単に日本語化したのではなく、LAN-OSやハードを組み合わせて当社のオリジナルインストールソフトをつけてLANパックとしたものです。だれもが買ったその日からすぐにLANが使えます。

 Qピア・トゥ・ピア型のLAN商品にした理由を。

 牧 PC-LANが普及するのはまずピア・トゥ・ピア型だと判断したからです。ネットウェアをはじめとするサーバー型は、インストールも難しく、その運用・管理に担当者が必要で、おまけに高価です。これでは一般にはとても普及しません。簡単かつ低価格、しかも高機能なLANであってこそはじめて一般に受け入れられます。


●WEBは後発だが米国市場で急成長

 Q WEBは日本ではあまり馴染みがありませんが。

 牧 日本へは当社がはじめて持ち込むことになります。米国WEB社のLAN「WEB」は、米国市場でも後発組に属しますが、その簡単・多機能さが評価され、LANtasticやNetWareLitcなどの先発組を上回る伸びを見せています。米誌LANタイムスでもピア・トゥ・ピア型LANのNO1との評価をくだしています。このWEBを核としたパック商品としたため、インストールや使い勝手はさらに向上しています。

 Q WEBの契約については、数社との競合があったように聞いていますが。

 牧 米国で人気上昇中のLAN商品だけに、当然のことだと思います。しかし、PC/AT用のWEBを、日本のPC-98用にインプリメントするには、それなりのノウハウが必要です。当社にはRAMボード用のユーティリティソフト「メルウエア」で培ってきた技術と実績があり、PC-98の全機種について深いノウハウを持っています。これがWEBのインプリメント契約のキメ手となったと思います。

 Q 御社は昨年8月、NetWareLiteJをバンドルしだLANパックNLP98シリーズによってLANに参入しました。2つの商品の位置付けはどうなるのですか。

 牧 私達の目的は、LANをより簡単にして、だれもが使えるようにすることです。LAN-OSについてこだわりはなく、LAN商品第1弾としてNLP98シリーズを発売しました。この商品にも当社オリジナルのインストールソフトを添付しており、簡単に使えるとの評判から月々1000本を超える出荷となり、たちまち日本のトップに立ちました。

 これを販売する中で感じたことは、更に簡単・多機能を追求するには、LAN-OSを手中にする必要があるということです。LAN-OSが当社の手の内にあってこそ、より自由な商品作りができます。そこでWEBとインプリメント契約を結び、当社のLAN商品に組み込みました。

 Q NLP98シリーズとWBP98シリーズとは、基本的に競合商品ということになりますが。

 牧 それではあまりにも視野が狭すぎます。1か月にだがが1000ノード売れば日本のトップに立てるような市場は、市場と呼べるようなものではありません。LANの有用性は間違いないわけですから、この市場は確実に伸びます。

 そのためにはまず市場の活性化を図ることが先決で、優秀な商品が次々と出て来る状況が必要です。市場を広げもしないでシェアや競合を意識するのは間違っていると思います。LANは使ってみてこそ良さがわかります。現時点で最高レベルの簡単・高機能なLAN商品をパックにして低価格で提供し、市場を立ち上げる-これが当社のスタンスです。


●買ったその日から使えるLAN

 Q LANの有用性はどこにあるとお考えですか。

 牧 ピア・トウ・ピア型に限定して説明します。パソコンを複数台接続することにより資源を共有化できることは広く知られたメリットですが、問題はその接続方法です。パソコンは低価格と簡便性で大きな普及を見せましたが、その接続にも低価格と簡便性が必要です。

 それでこそ、だれもが自由に使えるという、ホスト端末システムにはない機動力を発揮します。ただ、従来のサーバー型LANは、いかにも難しくて素人には手が出ません。だれもが簡単に資源を共有し合えるというPC-LANの魅力とは逆行する面もあります。

 専門要員がいなくても、業者に頼まなくても、買ったその日から利用できるところがPC-LANの良さです。まず使って見ることとは言いながら、勉強しなければ使えないようでは普及はしません。まず使えさえすれば、活用法は次第に上手になります。LANは理念ではなく、実践から入るものです。

 Q 具体的な効果についてはいかがですか。

 牧 それはユーザー次第だと思います。プリンタやディスクの共有1つを例にとっても、ユーザーによってその効果は違います。ただ1つ言えることは、グループ全体の効率が上がるという、今までとは1ランク違った効果が期待できるということです。成長が鈍化したPC業界で、LANが新しいメリットを生むことにより、新しい世界が開けます。PC-LANによって、パソコンは第2の成長期を迎えます。

 Q WBPシリーズのアピールポイントを。

 牧 電子メールをメニュー上から発信できる電子メール機能や、メール先が電源OFFでも送信できるポストオフィス機能、ネットワーク環境がひと目でわかるツリー形式表示、その他WEB自身の持つアピールポイントは数々あるわけですが、私が強調したいのはLANパックとしての充実度です。

 当社のオリジナルインストールソフトにより、LAN-OSの1部をUMBへ逃がしてユーザーエリアを拡大したり、キャッシュを自動設定したり、オートロードを働かせるなど、全くの初心者であっても最適のネットワーク環境を利用できることが特徴です。もちろんベテランはさまざまな設定をハンドリングすることができます。

 WEB単体ではなく、WBPシリーズとしてパック商品としたことがポイントです。アプリケーションについては、DOSのSHARE・EXEによるレコードロック機能をサポートしており、DOS上のLAN対応アプリケーションであれば問題なく走ります。

 Q 販売の見通しを。

 牧 2月上旬の発売から半年で1万ノードは出るものと見ており、1か月につき1万ノード出荷も遠くないと思います。この商品によって日本のピア・トゥ・ピア型LAN市場は飛躍の時を迎えます。