トレンドマイクロ(スティーブ・チャン社長)、シマンテック(成田明彦社長)、日本ネットワークアソシエイツ(加藤孝博社長)のウイルス対策ソリューション大手は、普段提供しているユーザー向け問い合わせ応対サービスを年末年始(2001年12月31日-02年1月4日)も実施した。

 同期間における問い合わせは、トレンドマイクロが個人ユーザーを中心に1153件、シマンテックでも個人ユーザーが大半で48件。日本ネットワークアソシエイツは企業ユーザーの案件が10件弱だった。

 企業からの問い合わせが少なかったことは、年末年始に備え情報資産の防衛や危機管理の一環として、ユーザーがウイルス対策を強化したことの表れと見られる。一方、個人ユーザーは、ネットマナーや自己防衛としてのウイルス対策に注意が高まっていることが影響し、問い合わせが多かったといえる。

 トレンドマイクロでは、01年11月に発見されたメールの添付ファイルで広まるワーム「バッドトランスB」に対する感染への対処や防衛に関する問い合わせが圧倒的に多く、「初めてウィルスに感染したユーザーからの問い合わせが目立った」としている。なお、同社の主力製品である「ウイルスバスター」シリーズは、01年12月の出荷本数が前年同月の3倍に達したという。

 シマンテックでも問い合わせのうち25件が「バッドトランスB」であったという。01年12月における「ノートンインターネットセキュリティ」シリーズの出荷本数は前年同月の20倍だ。

 日本ネットワークアソシエイツでは、「年末年始に関しては、ウイルスに感染したという問い合わせがなかった」という。

 ちなみに、01年12月の感染件数の問い合わせでは、「バッドトランスB」に関するものが719件と最も多かった。1月7日の週に入ってからも、「1月7-8日の2日間に関して、ウイルスに感染したという問い合わせは若干にとどまっており、企業がウイルス対策に万全を期したのではないか」と分析する。

 トレンドマイクロが発表した01年のコンピュータウイルス感染被害年間レポート(日本国内における01年1月1日-12月31日のデータ)によると、被害件数が最も多かったのはファイル感染型「マトリックス」の5406件で、次いで「バッドトランスB」の3498件、「マジストラ」の1964件となっている。

 同レポートでは、インターネット利用人口の増加やブロードバンドの急速な普及に伴い、多くのユーザーが少ないセキュリティ知識のまま、無防備に長時間インターネットを利用していることや、ネットワークが社会や企業インフラとして重要な役割を担うようになったことなどがウィルス感染拡大の要因とみている。