01年1-12月、音楽CDの出荷枚数は3億8506枚(前年比11%減)、金額は5002億円(同7%減)だったと日本レコード協会(富塚勇会長)が発表した。98年をピークに、99年、00年、01年と3年連続の前年割れと厳しい結果となった。

 同協会では、インターネットが違法複製を助長していることに警戒感を強めており、従来通りCDなどによるパッケージ流通に主眼を置いた流通形態を堅持する姿勢を改めて示した。02年の年頭所感で、富塚会長は、「(インターネットには)音楽関係権利者が正当な対価を受けるというシステムが、いまだ確立されていない」と、現状のインターネットに懸念を表明した。

 インターネットラジオなど、複製困難なストリーミング技術を使い、ネット上で音楽番組を流す形態が、諸外国ではすでに一般化している。しかし、日本では、レコード協会などレコード業界が、ネットラジオなどの番組への楽曲提供を警戒している。このため、日本音楽著作権協会など作家団体がネットラジオへの楽曲提供を許可しても、レコード会社が許可しないという“ねじれ現象”が起きている。

 放送免許をもった既存放送局は、作家(=著作権者)の許可さえ得られれば、極端な場合、レコード会社(=著作隣接権者)の意向を無視して楽曲を流すことができる。ネットラジオなど「ネット放送」は、放送免許などをもたない「非放送事業者」であるため、レコード会社の許可が得られなければ、既存放送局のように楽曲を流すことができない。

 ところが、レコード協会では、「02年の重要課題」として、放送免許をもつ放送事業者に対しても「公衆放送権」(レコード会社などが楽曲放送を条件つきで制約できる権利)の公使を認めるよう関係者に働きかけていく方針を打ち出した。これは、デジタル放送など、楽曲を劣化させることなく放送する技術が普及することで、インターネット上での放送と同じく、過度な私的複製や違法複製が横行するのを恐れているためだ。

 ほかにもCD-Rを使った過度な私的複製や、パソコンを使って「mp3」や「wav」形式といった“インターネット上で流通しやすい形態”へ容易に変換できてしまう問題などが山積している。レコード会社とIT業界各社との信頼関係をうまく構築していかなければ、1曲たりとも音楽が流れない寂しいインターネットになる可能性が高い。