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日本IBM 02年、「e-work」で勝負に 3つのキーワードを軸に展開

2002/01/14 16:06

週刊BCN 2002年01月14日vol.924掲載

 2001年の日本アイ・ビー・エム(日本IBM)にとって、企業向けブランド統一に象徴されるパソコン事業は大きな転換点を迎えた年だった。ターゲットを企業および企業内個人に絞り、製品仕様もビジネス向けに統一、インターナショナル・ビジネス・マシン(IBM)の名に相応しい陣容に帰ってきた。02年は「インターネット」、「ブロードバンド」、「モバイル」をキーワードに、01年に撒いた種から収穫を得る年となる。

 01年は、日本IBMのパソコン事業にとって収益性確保の体制を整える年だった。それまで初心者用として店頭で販売していたデスクトップパソコンブランド「Aptiva」を廃し、ビジネス向けブランド「NetVista」に統一した。また、ノートパソコンもブランド名を「ThinkPad」に統一した。

 製品のコンセプトはビジネス向けを基本とした。AV(音響・映像)との融合を加速させる競合他社のパソコン戦略とは一線を画す。在庫管理面でも01年の年初と比較して5分の1程度に縮小するなど、スリム化を図っている。

 在庫減少の施策として、インターネットによるダイレクトビジネスにも力を入れ、前年比70%増の販売台数を記録した。ユーザーに対するサポート&サービスでは、ウェブを活用したQ&A機能の強化や初心者を対象にした「e-ビギナーズ・サイト」を立ち上げた。

 「02年は、01年に行った施策が実を結ぶ年になる」と、橋本孝之取締役パーソナルシステム事業部長は言う。

 「現在の受発注状況を見ると、ITに対する投資が減退しているとは思えない。在庫を圧縮する仕組みとビジネス面で有効な仕様提案、製品競争力の確保をきちんと行うことで、パソコンビジネスは堅調に推移する」

 02年のパソコン市場の方向性として、橋本事業部長がとくに強調するのは、「リアル・モバイル」あるいは「e-work」が顕著になるという点。これは、軽量でバッテリー持続時間が長い小型ノートを持ち運び、いつでもどこでも社内ネットワークにアクセスできる環境。IEEE802.11bのアクセスポイントのインフラが普及することで、場所を選ばずに仕事を行うことができるようになる。

 日本IBMでは、B5サイズのThinkPadからVPN(仮想組織内ネットワーク)に接続できる環境を構築し、SEや営業マンが活用している。同社では、このソリューションの提供がパソコン事業の躍進につながるとみて、積極的な提案活動を行っている最中だ。

 02年は環境の整備と相まって需要が拡大すると見込んでいる。橋本事業部長が予測する02年のトレンドもまさに、ブロードバンド環境におけるパソコンのワイヤレスネットワークでの使用にある。

 それだけに、現在最も力を入れているのは、B5サイズノートの拡販だ。また、環境の整備については、LAN工事を行うキッティングサービスを提供するほか、パートナー企業との連携も強化していく。

 01年ビジネス市場で売り上げ2ケタ成長、コンシューマ市場はビジネスモデルの変革にともなうコストで前年割れとなったものの、ダイレクトビジネスが底上げを果たした。

 02年のキーワードは「インターネット、ブロードバンド、モバイル」と言う。ビジネス市場にターゲットを定めた戦略が功を奏するのか。企業向けパソコンで強みを発揮しているデルコンピュータとの市場争いが注目される。
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