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メッセンジャーの最新動向 ECショッピングとの連動が本格化

2002/01/28 16:06

週刊BCN 2002年01月28日vol.926掲載

 メッセンジャーとECショッピングの連動が本格化してきた。ネットプライスは、常時接続という点でパソコンより一歩先を行く携帯電話を活用し、共同購入サービスを軌道に乗せた。キュリオシティは、パソコン用のメッセンジャーソフトを昨年10月に導入。オークションなど刻々と売値が変動するサービスに対応し、利用者はすでに3000人に増えた。ヤフーやマイクロソフトなどの大手もメッセンジャーソフトの開発競争を続けており、メッセンジャー機能の1つとして、オークションや共同購入などECショッピング情報と連動させてくる可能性も十分にある。

ソフトの開発競争続く

 メッセンジャーとは、主に常時接続の環境下で、即時的にメッセージがやり取りできるソフト。携帯電話もメッセンジャーほどではないが、ほぼ即時的に電子メール(メッセージ)を受け取れるという意味ではメッセンジャーとして機能する。この特性とオークションや共同購入を連動させ、販売促進に結びつけるECショッピングサイトが増えている。

 共同購入に力を入れるネットプライス(佐藤輝英社長)では、携帯電話からの注文が全体の半分を占める。携帯電話を使って共同購入に参加する利用者のうち7割が女性。携帯電話からの参加時間帯は夕方5時から深夜12時半が大半を占め、いわゆるアフターファイブの個人的な時間帯を利用する人が多い。一方、パソコンを使った接続は、会社の昼休みと夕方5時から夜8時、深夜23時から1時の3つの山がある。前者2つの山は、会社のパソコンを使うケースが多く、後者は電話料金が安くなる時間帯に相当する。

 佐藤社長は、「携帯電話は、より個人に密着し、常時接続性に優れているのに対し、パソコンはまだまだ個人の生活に入りきれていない。ADSLが普及したといっても、電話料金を気にしている利用者が依然として多い。各家庭に常時接続が完全に普及するまでの2-3年は、個人への密着度と常時接続性が高い携帯電話の方が、共同購入やオークションに適しているのではないか。また、携帯電話だけでECショッピングを楽しんでいる若者の生活様式を見ると、将来家庭に常時接続回線が来ても、これがゲーム機やテレビなどにつながり、パソコンだけが主役なることはない」と指摘する。

 キュリオシティ(西澤泰夫社長)は、パソコン向けに独自のメッセンジャーソフト「キュリオホットライン」を開発。「パソコンの画面上では、小さな長方形の窓にすぎないが、これはこの先、パームなど携帯情報端末の画面の大きさに合うように設計してある。ユビキタスネットワークが広がり、携帯情報端末にも常時接続環境が普及したタイミングで、こうした端末からもリアルタイムでオークションを楽しめるようにする」と話す。

 楽天も、「メッセンジャーや常時接続性に優れた携帯電話と、オークション、共同購入などを結びつけるサービスについて、非常に興味をもっている」と、まだサービス開始には至っていないが、高い関心を示している。パソコン用メッセンジャーソフト大手のマイクロソフト(MSN)やヤフーもショッピングとの連動を視野に入れる。

 すでに、ヤフーメッセンジャー英語版(Ver5.0)では、メッセージサービスのほかに、株価や天気などの常に変動する情報を提供しており、これにオークションや共同購入を付け加えても不自然はない。
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