インターリンクは、4月1日から東京(03)地域の一般電話に接続可能なインターネットテレビ電話サービス「Zootフォン」を開始する。利用料金は、アダプタ費用1万5000円とIP電話サービス料の月額200円(インターリンク会員対象、ほかのプロバイダ会員は月額2000円)のみ。通常の電話機を専用アダプタを介してパソコンと接続すれば使用可能になる。CS推進本部マーケットディベロップメント・菅野伸彦ディビジョンリーダーは、「今後、大手ISPや通信事業者が続々とIP電話サービスに参入してくる」とし、ほかのサービスに対する独自の差別化策に自信をみせる。ブロードバンド網加入者の急速な増加により、IP電話はコンテンツサービスの主力になりつつある。

 同社はこれまで、Zootフォン会員間のみのインターネット通話サービスを無料で行ってきた。03ナンバーに対する通話が完全無料となるサービスは、ほかのインターネット電話サービスに先駆けた初めての試みであり、同社では「今後さまざまなサービスが台頭してくるなかで、大きな強みになるだろう」(菅野ディビジョンリーダー)と見ている。

 インターリンクはもともとインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)事業を主力に展開してきた。同社が運営するZootフォンは、プロバイダ事業における付加価値サービスとして、ユーザー獲得のための「武器になる」という。 実際、ビッグローブ、@ニフティをはじめとする大手ISPでさえ、接続料金の低下傾向に押され、インターネット接続サービスのみでは利益を上げられない厳しい状況が続いている。会員を獲得すればするだけ、設備投資が膨らみ、赤字幅が拡大するという“負のサイクル”に飲み込まれているのが現状だ。

 このような状況において、各ISPは有料のコンテンツサービスを展開することで、利益率の高いビジネスを推進する共通のビジネスモデルを掲げている。ただ、現段階ではまだ試行錯誤の段階にあり、思うようにビジネスが軌道に乗っていない。

 インターリンクのような中堅プロバイダにしても、生き残りをかけた施策として会員数の絶対ボリュームを獲得し、有料のコンテンツサービスを収益の柱に据える必要性に迫られた。IP電話サービスは、このような苦境に立たされているISPの「希望」ともいえる。

 しかし、IP電話サービスを開始するのはISPだけではない。1月下旬のサービス開始を予定していたヤフーのようなポータルサイトでも、IP電話サービスの推進には積極姿勢を見せている。イー・アクセスのような通信事業者も参入を計画している。

 実際、イー・アクセスでは、2月20日のサービス開始を目処に、マイクロソフトのメッセンジャーを利用したブロードバンド向けインターネット電話サービスをスタートする。国内一律で3分10円、米国には1分7円、韓国へは1分9円と、価格的にはヤフーフォンが予定する国内一律3分7.5円と比較すれば割高だが、イー・アクセスが回線を提供するプロバイダを考えれば、「市場はかなり広いのではないか」(同社担当者)と自信をみせている。

 総務省によると、2002年度内には民間事業者により「(DSLサービスは)概ね全国的にサービス展開される予定」という。

 5月には、IP電話についても専用番号の割り振りが開始され、普及した高帯域インフラの上でIP電話サービスが本格化するとみられている。