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コンパック “ブレード”型の新製品相次ぐ 省電力、低コストサーバーとして期待
2002/02/25 16:09
ブレードサーバーは1枚のボード上にCPU、メモリ、ハードディスクを実装し、1つの筐体に約20枚を搭載できる省スペース型のサーバー。ウェブサイトのフロントエンド利用として、主にデータセンターなどで普及が進むとみられている。ブレードサーバー市場ではHPが昨年12月、Linuxに対応した製品を発売。その後、コンパック、デル、サン・マイクロシステムズが相次いで参入した。国内ではNECが他社に先駆け、製品を発売している。
省スペース性や低コストを謳うブレードサーバーの需要は高まりつつある。企業の情報システムは、常にシステム資源の再配置や追加の要求に晒されている。また、省スペース化や省電力化を進めることで、運用・管理コストの低減も求められている。
コンパックのサーバー戦略「アダプティブ・インフラストラクチャ」とは、(1)いつでもどこでもシステムにアクセスでき、貴重な情報を入手・発信できる、(2)技術革新にともなう更新やリソース再配分を効率的に行うことができる、(3)リモート環境からでもシステム全体を適切に管理運用できる――などの要件を満たすインフラのこと。そんなシステムが求められている。
しかし、ブレードサーバー導入に対する企業の姿勢は慎重だ。偏在する企業情報を一元的に管理できるのか。ブレードサーバーでは、1台のラックに何十台、何百台ものサーバーを搭載できるが、かつてオープンシステムに移行し始めた時期、ウィンドウズサーバーの顧客企業は、社内にある何百台ものシステムがバラバラに乱立し、管理が複雑になったというにがい経験がある。
米ガートナーデータクエストはある報告書で、「ブレードサーバーには標準化されたものがなく、それがユーザーが導入をためらっている原因になっている」と指摘し、業界が標準化に取り組むべきだと提唱している。標準化の動きを巡っては、各社がイニシアティブを握ろうとする勢力争いがエスカレートしている。
未だ課題が残るブレードサーバー市場だが、市場の展望は明るい。米ガートナーデータクエストが市場拡大を予測するほか、米IDCでもブレードサーバー市場は05年に29億ドル規模に達すると予測している。
また、ブレードサーバーがエントリークラスのサーバーのうち、出荷台数で約23%、売上高で10%を占めると見ている。
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