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大塚商会 営業益38%増、過去最高に

2002/02/25 16:09

 大塚商会(大塚裕司社長)の2001年12月期の連結決算は、売上高が前期比2.0%減の3281億5100万円にとどまったものの、営業利益は同38.1%増の81億7700万円、経常利益は同23.5%増の76億6400万円となり、98年に連結決算を開始して以来、過去最高の営業益、経常益を計上した。

粗利率改善と販管費圧縮が寄与

 ただ、当期純利益は退職給付会計の適用に伴う変更時差異償却を特別損失に計上したことなどにより、同15.5%減の25億3100万円となった。

 売上減は、αランドの業態変更および店舗縮小と、パソコンの販売台数伸び悩みと単価ダウンの影響が大きかったことによる。一方、営業益、経常益が大幅にアップした要因は、粗利率の高いサービス&サポート部門の成長、社内システムのIT化投資により、人件費を主とした販菅費の圧縮が大きかった点。

 単体ベースでもほぼ同じパターンを見せ、売上高は同3.4%減の3036億5700万円、営業利益は同42.4%増の75億7200万円、経常利益は同28.4%増の74億8200万円、当期純利益は同20.0%減の24億9500万円となった。

 大塚社長は、「売上高、純利益の面では前期を下回り、計画も未達だったが、営業利益、経常利益は大きく伸ばすことができた。今回、上期は好調だったが、7-9月期に台風の影響で物流に影響が出たこと、9月のテロ事件の余波を受けたことで計画を下回った。しかし、10月以降は持ち直し、計画を上回るペースで推移している。IT産業を取り巻く未曾有の厳しい環境下で、これだけの実績を残せたことに満足している」と総括した。

 セグメント別の実績では、ハード販売などのSI部門が同6.3%減の2101億6400万円、サービス・サポートを受け持つS&S部門が同3.9%増の934億9300万円だった。ただ、売上総利益で見ると、SI部門の370億6200万円に対しS&S部門は333億3100万円となる。「S&S部門は売上構成比では30.8%だが、売上総利益では47.3%を占める。S&S部門の育成強化を図ってきたが、ようやく形になってきた。今後もこの路線を強化していく」(大塚社長)意向だ。

 02年12月期の連結予想は、売上高で同3.9%増の3409億円、営業利益で同4.3%増の85億円、経常利益で同7.5%増の82億4000万円、当期純利益で同7.8%増の27億3000万円を見込んでいる。

 大塚社長は、「1月に入ってもパソコンで受注残を抱えるなど好調だが、何が起こるかわからないこともあり、控えめな数字を出している」と自信を見せた。
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