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レインボー・テクノロジーズ セキュリティ市場、売上倍増へ

2002/03/18 11:00

パートナー企業を20社に拡大

 レインボー・テクノロジーズ(岡村靖代表取締役会長)は、国内セキュリティ市場で2002年度(02年12月期)に10億円、03年度以降は売り上げを倍増させる計画を明らかにした。現在6社のパートナー企業を20社に増やすほか、ユーザー認証技術のOEM提供先企業を開拓することで、計画達成を目指す。

 同社は米レインボー・テクノロジーズとソフトバンク・イーシーホールディングスの合弁会社。

 セキュアウェブサーバーやVPNアクセラレーションボード、ネット上のソフト頒布ソリューション、PKIセキュリティソリューション、音声・データ・衛星通信セキュリティシステム、USBベースの認証トークンなど、セキュリティ分野の広範囲にわたる基礎技術を武器に、米国を中心に世界で事業を拡大してきた。

 米レインボー・テクノロジーズが展開するセキュリティビジネスは、(1)政府・防衛関係を中心とした大規模な受託開発(売上高の50%)、(2)基礎技術の製品化および販売(同40%)、(3)セキュリティ・コンサルティング(同10%)の3分野。

 このうち、日本国内の販売を担当する子会社のレインボー・テクノロジーズは現在、(2)の分野のみに注力してビジネスを展開している。その中心となる製品が、eコマースやパソコン、ワークステーションなどの認証用セキュリティ製品「iKey」である。ユーザーIDやパスワードを暗号化し、トークン内に保存することでユーザーを認証し、セキュリティを確保するハードウェアだ。

 同社では、ソフトバンク・コマースをマスターディストリビュータに、6社(丸紅ソリューション、ディアイティ、NTTエレクトロニクス、技研商事インターナショナル、リードレックス、ヒューコム)のパートナーに、トークンと開発キットを提供している。

 パートナー企業は独自の認証ソリューションを開発し、販売する形態となる。例えば、ウェブサーバーのアクセス制御、PKI、デジタル証明書を利用したセキュリティソリューション、VPNアクセスコントロール、認証ソリューションなどの開発が可能となる。

 同社は、02年度以降の売上倍増計画を策定。その実行プランとして、パートナー企業年内20社への拡大、およびOEM提供先企業の年内2社の開拓を打ち出している。

 パートナー企業の拡大については、「市場の拡大をにらみ、独自の得意分野をもつ企業をパートナーに選んでいきたい」(酒匂潔ジェネラル・マネージャ)とする。

 有力なターゲット顧客としては、生命保険会社や製薬会社を想定する。また、OEM提供先企業には、すでにNECが確定しているほか、ほかの大手ハードベンダーと交渉が進んでいる。NECでは、ポケットPC搭載携帯情報端末のユーザー認証用デバイスとしての採用を決定している。

 今後は米本社が得意とする政府・防衛関係向け受託開発ビジネスの国内展開も視野に入れているが、「法規制の関係上、少し先のことになる」(岡村靖会長)見込み。

 また、コンサルティング分野については、「別口で代理店網を構築し、近いうちに開始したい」(酒匂ジェネラル・マネージャ)としている。
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