専用端末の製品化に着手

 サン電子は、年内を目途にブロードバンド(BB)専用端末を製品化する。同社はこれまでISDNやPHS関連機器、モデムなどを開発してきたが、「BBの波に乗れる次の商材」を目指して、専用端末の開発に着手する。開発子会社のサン・コミュニケーションズでは、今年夏を目途にホームサーバーを製品化する予定で、サン電子ではホームサーバーと連携するBB端末の開発に力を入れる。

 サン電子の昨年度(2002年3月期)の売上高は93億2900万円、前年度比にして35.0%減と大幅に落ち込んだ。売上構成比はパソコン周辺機器が3割、ゲームソフト2割、パチンコ制御基板が5割で、各部門とも全体的に低迷したのが減収の主な理由だ。これまでは、ISDN機器やモデム事業が好調だったが、ADSLなどBBの普及で縮小した。現在は、パソコン周辺機器の8割をPHSや携帯電話の接続ケーブル類が占める。この打開策として、同社ではBB端末の開発を進める。BB端末ではすでにソニーの「エアボード」が先行しているが、これについて担当役員の鈴木祥司取締役は、「BB端末は、まだどこも成功していない。当社はソニーと同じスタートラインに立っており、成功する可能性は十分ある」と意欲を示す。

 一方で、鈴木取締役は、「モデムやルータなど家庭用の終端装置には魅力を感じていない。コレガやメルコとの差別化も難しい。そうではなくて、利用者が日常生活のなかで直接手に触れる身近な領域に進出する。子会社のサン・コミュニケーションズが今年夏を目途に開発するホームサーバーも、どちらかと言えば終端装置側に近い。当社は、利用者により近いBB端末の領域に進出する」と、従来の終端装置からの脱却を図る。現段階におけるBB端末の詳細な仕様は非公開。投入時期については、「ADSLなど常時接続の利用者数が1000万世帯に達する年内には製品化する」と話す。

 およその方向性として、「利用者はパソコンを買わなくても、当社のBB端末を使うことで、従来通りのウェブ閲覧や電子メールのやり取りができる。ビデオゲームは、パソコンで遊ぶよりも、プレイステーション2やXboxなど専用機で遊んだ方が楽しい。ウェブ閲覧や電子メールも、いずれ1人1台ずつ専用機をもつようになる」と、パソコンの代替機に仕上げる考え。同社の販路は、ダイワボウ情報システムや丸紅インフォテックなど流通経由が大半を占める。BB端末も同様の販路を活用する。「メルコやアイ・オー・データ機器など、強力無比な営業部隊をもつのではなく、他社にない製品を開発することで、プル型販売ができる体制づくりに努める。販売店の方から引き合いが来るようなBB端末をつくらないと、大手に太刀打ちできない」と、プル型を実践できる次世代BB端末の開発を急ぐ。