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シーア・インサイト・セキュリティ セキュリティソリューションを拡販

2002/05/27 16:18

週刊BCN 2002年05月27日vol.942掲載

 

米、中、韓へも事業展開

 ITベンチャーのシーア・インサイト・セキュリティ(向井徹社長)は、電気通信大学などの協力を得て開発した情報セキュリティソリューション「シーア・インサイト」の拡販を開始した。

 セキュリティポリシーの適用管理などを行うソリューション製品で、NTTデータや大塚商会などのパートナーを通じ国内販売を始めたほか、米、中、韓国へも事業展開する。

 2003年9月期に10億円規模、04年9月期に20-30億円の売り上げを見込んでおり、04年末をめどにIPO(株式公開)を目指す。

 同社が拡販に乗り出した「シーア・インサイト」は、電気通信大学、独立行政法人・航空宇宙技術研究所、麗澤大学の協力のもと開発したセキュリティソリューション製品。

 現在の製品群は、セキュリティ管理者に全面依存することなく、全ユーザーが自主的かつ全社横断的にセキュリティ意識を高め、内部不正使用を相互抑止できる「シーア・インナー」、iアプリを利用し遠隔地からサーバー監視・操作が行える「シーア・シーサ」、不正アクセスによるログ情報の改ざん・削除を防ぐ「シーア・アンダーカバー」などのソリューションを用意している。

 このうち、中核商品に位置する「シーア・インナー」は、イントラネットに接続されている全ユーザーの表示画面、ログイン情報、インターネットの接続履歴、電子メールの発着信歴などが各クライアントから閲覧できるようになっており、内容は3D(3次元)画像により視覚的に見やすい形で表示される。

 「専任のセキュリティ管理者を置かなくても、ユーザーが内部不正使用に対し相互に抑止力を働かせることで、セキュリティ意識を高める」(向井社長)ことが可能だ。

 閲覧できる表示画面は、プライバシー保護のため文字までは認識できないようになっており、メールの中身も見ることはできない。また、閲覧権をもつクライアントを経営トップや管理者などに限定することもできる。

 各ソリューションは、ビジネスパートナーを通じ、ASPやライセンス形態により販売する。現在、NTTデータや大塚商会のほか、NTT-MEコンサルティング、東京NTTデータ通信システムズ、ネットマークス、ビットキャットなどとパートナー契約を結んでいる。

 利用料金は「ウィルス対策やウェブフィルタリングサービスと同等程度」(同)の見込み。

 立ち上げ期の02年9月期は、売り上げは1億円程度にとどまる見通しだが、海外分も寄与してくる来期は10億円レベル、04年9月期は20-30億円を見込む。

 すでに4月、米国に子会社を設立したほか、今秋以降、中国と韓国でも合弁やパートナービジネスを展開する。向井社長は数年前までピクチャーテル日本法人の常務を務めた経歴をもつ。

 アドレスはhttp://www.seerinsight.co.jp/。
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