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エルゴ・ブレインズ 電子雑誌で会員拡大へ 会員数200万人を目指す

2002/06/03 16:21

週刊BCN 2002年06月03日vol.943掲載

 

 オプトインメール配信のエルゴ・ブレインズ(福岡裕高社長)は、HTMLやストリーミングを取り混ぜた電子雑誌の配信で会員拡大を目指す。これまでは「3か月に1度、1000万円の賞金が当たる!」などの方法による勧誘が多かった。だが、配信するオプトインメールをより確実に閲覧させるために、コンテンツとしての価値が高い電子雑誌の無料配信で会員読者との関係強化を狙う。オプトインメールとは、ダイレクトメールの電子版。顧客属性に合わせて広告やアンケートを配信するサービス。現在の会員数は160万人で、今年度末(02年12月期)には200万人を見込む。

 エルゴ・ブレインズでは、5月末に音楽専門の電子雑誌「ミュージックウィーバー」を創刊した。創刊号は会員向けに92万部を配信、今年度中には旅行や地域情報などの電子雑誌を創刊する。将来的には、これらの電子雑誌を集めたポータルサイト「マグスタ」を開設し、コンテンツの魅力を活かした会員獲得を図る。

 これまでのオプトインメールは文字だけだったが、今後は雑誌風のレイアウトを採用したHTML方式にすることで、新規の広告主を開拓する。

 インターネット広告市場は、予想していたよりも成長性に乏しい状況が続いている。ビールや飲料、化粧品などの消費財メーカーは、インターネット広告には「商品イメージがよく伝わらない」などの理由で消極的だ。

 同社では、この打開策として、見栄えのよい電子雑誌を創刊することで、イメージ訴求を重視する消費財メーカーの出稿を引き出す考え。

 福岡社長は、「“マグスタ”とは、マガジンスタンド(雑誌入れ)の意味。オプトインメール会員になれば、誰でも自由に雑誌を読めるようにする。HTMLやストリーミングを使い、見栄えがよく内容も面白い雑誌にすれば、会員との関係強化につながる。会員が興味を示せば、消費財メーカーの出稿も期待できる。電子雑誌がうまく立ち上がれば、一気に媒体数を増やす」と、コンテンツの拡充に意欲を示す。

 電子雑誌によって同社のブランドイメージが高まり、従来から手がけているダイレクトメールの閲読率も高まるとの計算だ。

 同社は、今年2月にナスダックジャパンに株式公開し、約4億円の資金を調達。初めて手がける本格的な音楽雑誌「ミュージックウィーバー」は、子会社でコンテンツ制作会社のアルゴノーツに委託した。ほかの電子雑誌も外注化を進め、社内では本業のデータベースマーケティングに専念する。

 今年度(02年12月期)の売上見通しは前年度比38%増の20億円、経常利益は同28%増の3億6000万円(いずれも単体ベース)を見込む。

 アドレスはhttp://www.ergobrains.co.jp/。
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