プラネックスコミュニケーションズ(久保田克昭社長)は、社内体制を抜本的に見直す。同社はこの3年間、39億円、58億円、70億円(02年12月期見通し)と業容を急拡大してきた。だが、「売り上げの拡大に社内の組織づくりが追い付いていない」(久保田社長)状態が続いていることから、常駐役員や幹部社員を増やし、成長に見合う組織にしていく。今年4月、東芝情報システム常務取締役、東芝情報システムテクノロジー社長などを歴任した高橋生宗氏を、プラネックスコミュニケーションズ(以下プラネックス)の役員として迎え入れた。また、傳田信行元インテル社長ら数人を社外取締役として招いている。高橋新取締役は常駐で久保田社長を支援する。

 高橋氏は東芝グループを定年退職した今年62歳。まずは「久保田社長の両脇を固める若手幹部社員を育成する」と、人材育成に力を入れる。今年1月時点の社員数は70人だったが、6月時点で約100人に増えた。年度末には計120人に増やす。社員数は増えているが、社長以外では、管理部門、開発部門、財務経理部門を担当する3人の役員しかいない。市場動向を探り、攻めの営業を展開する部門役員の仕事が久保田社長ひとりに集中している。これを改善するために、市場の声を製品に反映できるマーケティング部門などの役員を年度内に2-3人新たに迎え入れることで、社員を組織的にとりまとめる方針。久保田社長は、「95年の創業以来、良くも悪くも、私個人が陣頭指揮を執ってきた。株式公開以来、何度か組織づくりを試みたがうまくゆかなかった。今後は高橋取締役の指導を受けながら、社内組織を根本から見直す。売り上げが小さいうちはワンマンでもいいが、これからの成長を考えると、複数の役員で共同して会社を運営していく必要がある」と、若手社員を取りまとめる役員の拡充にも力を入れる。

 同社は、昨年から今年にかけて、ソフトウェアのバグや開発の遅れ、顧客の声をうまく製品に反映できないなどの問題に悩まされた。久保田社長はこの理由として、「社内組織が貧弱で、年商規模に合わなくなってきた。今後は市場動向や顧客の声を素早く製品開発に結びつけられる組織づくりに力を入れる。これまで、久保田式の経営スタイルが周囲の社員や役員に分かりにくい面があったが、これも改める」と、社内各部門が組織的に動く体制をつくる。製品戦略について高橋取締役は、「無線LANが成長のカギ。当社は、少し他社に遅れたものの、ようやく競争力ある無線LAN製品が揃い始めた。下期に向けて、無線LAN関連で10%以上のシェアを狙う」と話す。5月月間のBCNランキングでは、無線LAN部門で同社のシェアは3.5%(台数ベース)にとどまっている。同社がルータ部門で10.2%(同)のシェアを獲っていることを考えれば、無線LANのシェア拡大は、早急の課題である。今年度は、売上高70億円、営業利益8億5000万円の見通し。