カシオ計算機の携帯情報端末(PDA)が導入事例を増やしている。採用が進む背景には、PDAを担ぐシステム販社の育成に力を入れている点にある。

 昨年10月に開設したPDA拡販に向けた販売店組織「モバイルネットワークビジネスパートナー会(MNBパートナー会)」は、当初約70社の加入だったが、直近では107社に増えた。

 販社の導入事例のなかでは、物流倉庫などで使うハンディターミナルをPDAに置き換え、情報システムを抜本的に見直す仕組みが多い。最近では、病院での患者管理に使うケースも増えている。

 MNBパートナー会員でデジタルデザインの寺井和彦社長は、「数年前までは、物流倉庫などでバーコードを読みとるハンディターミナルが1台20万円もした。カシオのPDAは10万円以下で手に入る安さが魅力」と話す。

 同社は、通信データを圧縮することで、通信速度が遅いPDAからでも、待ち時間なしに直接データベース(DB)と交信するミドルウェアを開発。独自のPDAシステムを武器にしている。

 同会員のアイ・シィ・アールは、受注から製造、出荷、配送の段階ごとに、商品に添付しているバーコードをPDAで読み取り、商品の動きをリアルタイムに把握できる仕組みを開発した。

 井本裕順社長は、「製造現場のパートのおばちゃんが、PDAをバーコードで擦るだけで、商品の流れをリアルタイムに集中管理できる。外に出ている営業マンがPDAを使って自分の発注した商品が製造、検査、配送のどの段階にあるのか一目瞭然で確認できる」と胸を張る。

 「製造業のノウハウがある当社だからできたシステム」(井本社長)と、最新PDAを使ったシステム開発に取り組む。

 カシオのモバイル国内営業統括部営業推進室・尾平泰一室長は、「PDA端末で読みとった情報が、実時間でDBに蓄積され、最終的に経営分析ツールにかけられるようなシステムの売り込みに力を入れる。基幹系との連携には、業種ノウハウをもつMNB販社の協力が欠かせない」と、販社の啓発に力を入れる。