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エムシージェイ 法人向けPC「ヤマト」を拡販

2002/07/29 16:24

週刊BCN 2002年07月29日vol.951掲載

 

ソリューション部隊を組織化

 「マウスコンピュータ」ブランドでパソコンの製造・販売を手がけるエムシージェイ(高島勇二社長)は、法人向けパソコン「Yamato(ヤマト)」ブランドの拡販を図る。この7月には、法人向けにパソコンの設置からシステム構築までのサポートを手がける「ハードウェアソリューション事業部」を新設。中規模以上の企業を対象に需要を開拓していく。今年度(2003年3月期)の売上高は「ヤマト」ブランドで30-40億円、全体で60-70億円規模を目指しており、株式上場も計画している。

 エムシージェイの法人向けパソコン「ヤマト」ブランドは、5月28日に販売開始した。

 高島社長は、「コンシューマ向けの『マウスコンピュータ』ブランドが法人企業にも好評だった。そこで、法人向けにサポート面を強化したブランドを作ろうと思った」と、そのきっかけを話す。

 「ヤマト」ブランドの拡販に向け、同社では「ハードウェアソリューション事業部」を7月に新設した。同事業部では、パソコンを中心にハードウェアの設置やシステムの構築・移転などに対応しており、トータルなサポートを行う。

 特徴は、低価格のハードウェアに加え、サポートが充実していること。ハードウェア価格には「1年間/3年間のオンサイトサポート」、「3年間のパーツ保証」、「24時間の電話サポートセンターへの問い合わせ」などが標準で含まれている。

 当面は、「マウスコンピュータ」の法人ユーザーを対象に「ヤマト」ブランドの販売を図る。また、販売チャネル開拓に向けて、パソコンのディストリビュータやシステム販社などにアプローチをかける。

 販売台数目標は月平均1-2万台。「30-40億円の売上高を狙う」と自信をみせる。

 生産は、標準品を実需注文に基づいて生産する「BTO(注文生産)」と、ユーザーの要求に合わせて仕様や構成を柔軟に変えて製品を提供する「CTO(注文仕様生産)」の2方式。

 実際の組み立ては、注文受付後から行うため、在庫を一切もたなくて済むというメリットがある。製品・部材の余剰や流通・保管費用の増大を防ぐことでコスト効率を追求し、低価格かつ各購入者に最適な製品を提供することに注力する。

 最近では、ウェブサイトなどからの注文に対し、「いつ、どこで、誰から、どのような仕様のモデルで何台注文されたか」といった情報をリアルタイムで把握できるシステムを構築した。

 「その製品がどんな状態にあるのか、例えば組み立て中なのか、運搬中なのか、などもリアルタイムでわかる」という。

 ブランドは、「マウスコンピュータ」と「ヤマト」以外にも、コア層をターゲットとしたオーダーメイドパソコン「TUNE(チューン)」や、周辺機器「MCP(マウスコンピュータペリフェラル)」などをもつ。さらに中古販売「パソコン購入サイト」や、ショップ向けにパーツの受発注サイトなども展開する。

 コンシューマ向けでは、今年4月にショップインショップ事業を開始。J・ZONEやプラグシティ、すみやなど45店舗弱のパソコンショップにBTOコーナーを設けた。

 前年度(02年3月期)の売上高は40億円弱。今年度は通期で60-70億円規模を見込んでおり、「今年度の業績を基に株式上場を目指す」方針。

 アドレスはhttp://www.mouse-jp.co.jp/。
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