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ディスタント・ビュー 独自開発のソリューションを展開

2002/08/05 16:26

週刊BCN 2002年08月05日vol.952掲載

「アクティブウェブキャスト」を販売

 ソフト開発のディスタント・ビュー(渡邊正之社長)は、独自のソリューション開発に乗り出す。まず、文書や音声をウェブブラウザに向けて配信する「アクティブウェブキャスト」を開発。eラーニングや電子会議用のシステムとして8月から販売を始め、来年度末(03年10月期)までに50セット、売り上げ1億円を目指す。同社は、年商3億2600万円(昨年度実績)、社員数55人のソフト開発会社で、これまで受託による開発がほぼ全てを占めていた。

 ディスタント・ビューは98年の設立。渡邊社長が14年間務めたNTTコミュニケーションズを退社して起業した。現在は社員の8割を技術者が占める。

 渡邊社長は、「ソフトの受託開発では『1人月(にんげつ)いくら』で売り上げが決まる。一時期は、流通業に強いソフトベンダーを目指したが、今年度は方向性がまったく異なる会計関連の受注が急増し、なかには1案件で1億円を超えるものまであった」と、経営陣の意思とは無関係に進行する受託案件の内容を気にかける。

 得意とする領域を伸ばし、1人当たりの生産性を高めるには、独自のソリューション開発が不可欠と判断。今回の「アクティブウェブキャスト」の開発に踏み切った。昨年度、今年度と、本来見込んでいた数千万円の経常利益を自社製品の開発に投入。このため、売り上げは伸びているものの減益になる見通し。

 同製品は、もともと韓国のインディシステム(年商8億円)が開発したソフト。この版権を同社が買い付け、国内で独自のソフトとして売り出す。ソースコードも入手しており、独自のシステム構築ができる。

 「今後、第二、第三の商材を集め、攻めの営業体制をつくる。今は、受託開発が中心だが、今後はシステム販社に脱皮できるよう目指す」と話す。

 売り上げ計画は、今年度(02年10月期)が4億8000万円、来年度(03年10月期)6-7億円を見込む。これまでソフト開発が中心だったため、ハードは取り扱わない方針だった。どうしても必要な場合は、顧客企業から現金を先払いしてもらい、デルなど直販ベンダーから数百万円のサーバーを購入した。

 だが、「ミッションクリティカルな基幹系システムの提案では、UNIXなどミッドレンジ上位のサーバーを構築するノウハウが欠かせない。いつまでも現金先払いでデルを納める手法では通用しない。仮に同じデルから購入するにせよ、よりサーバーシステムと一体化した売り方に力を入れる」と話す。

 アドレスはhttp://www.distant-view.co.jp/。
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