米パソコン大手のデルコンピュータが、今年5-7月期の決算を発表した。この四半期の売り上げは84億64000万ドルで、前年同期より11%伸びたとしている。ハイテク産業の景気後退がますます悪化し、業界の今後が懸念される昨今、デルのこの発表に新たな望みをもつ者も少なくない。

 15日、デルコンピュータは同社の5-7月期の決算を発表した。この四半期の売り上げは84億64000万ドル。同社が5月半ばに発表していた82億ドルの予想を若干上回ったとしている。

 また、8-10月期には最高益を出す意気込みも見せている。同社はこの期で5%以上のパソコン出荷台数の伸びを見込んでおり、この結果、売上高が89億ドルにまで上がると予測している。

 同社のコメントによると、この5-7月期の伸びについては、米国の教育市場、政府関連市場、一般消費者市場での売り上げの向上に加え、法人向けのセールスが予想より伸びたことが大きいとのことであった。また、デルはこの期のパソコン出荷台数は、サーバーが前年同期比で18%増、ワークステーションが24%増、ノートパソコンが17%増と発表している。

 一方で、シリコンバレーの業界関係者の間では、ヒューレット・パッカード(HP)とコンパックの合併も影響しているとの意見も出ている。もともと、デルのコンピュータは低価格で勝負をしていたところがあり、コンパックは最大のライバルとして見られることが多かった。そのライバルが消えた今、デルにとっては有り難いチャンスが巡ってきたというわけである。

 また、この合併により、コンパック及びHPのコンピュータのサポート体制などに不安に感じたユーザーたちが、デルを選択するようになった、という話も度々聞かれた。

 このような競争相手の脱落とでも言える、「棚からぼた餅」説に耳を貸すシリコンバレーの住人が多いのにもうなづける。というのも、今のところ、ハイテク業界で元気なのは同社とマイクロソフトの2社ぐらいだからである。皮肉なことに、両社とも本社がシリコンバレーにないだけに、ため息をつきながらこのニュースを聞く者も多いという。

 しかし、デルは米国のハイテク業界が急成長している90年代後半から、そのユニークなサービスで競合他社とは差をつけていた。その一例として挙げられるのが、いち早く自社のオンラインショップを構築、オーダーメイドパソコンの注文システムを導入したことなどである。

 このような一歩先を行くサービスが、今のポジションを築き上げていた、と言っても過言ではなかろう。

 いずれにしても、デルの勢いはまだしばらく止まらなそうである。その様子を見て、「どの会社もダメだと思うより、まだどこかの会社が成功しているだけで安心できる」というアメリカ人もいるくらいである。(飯田仁子)